研究課題/領域番号 |
18350046
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
合成化学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
大熊 毅 北海道大学, 大学院・工学研究科, 教授 (50201968)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
15,620千円 (直接経費: 13,700千円、間接経費: 1,920千円)
2007年度: 8,320千円 (直接経費: 6,400千円、間接経費: 1,920千円)
2006年度: 7,300千円 (直接経費: 7,300千円)
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キーワード | DMAPEN / IPHAN / PICA / To1BINAP / ケトン / 不斉水素化 / 分子集合体型触媒 / ルテニウム錯体触媒 / LiCl / エナンチオ選択性 / 触媒ライブラリー / TolBINAP |
研究概要 |
金属錯体触媒を用いる不斉合成反応において高いエナンチオ選択性を実現するには、反応場に優れた不斉三次元空間を構築する必要がある。合理的な光学活性配位子の設計と合成が鍵を握るが、その構造は複雑かつ大型化する傾向がみられる。これに対し、本研究者は複数のキラル構造単位を金属との配位結合により結びつける新たな不斉反応場構築を提案した。適切な条件下、複数の光学活性配位子と金属とから目的とする不斉反応場をもつ「分子集合体型錯体触媒」が自発的に形成されると考えた。この発想の基に検討を行い、以下に示す成果を得た。1)光学活性ジホスフィンTolBINAPとマンニトールから誘導される光学活性1,4-ジアミンのIPHANを配位子とするルテニウム錯体を触媒として用いることで1-テトラロン等の環状ケトン類の高エナンチオ選択的水素化に成功した。世界最高の光学収率99%を達成した。2)TolBINAPとα-ピコリルアミンを配位子とする錯体触媒を用い、第三級アルキルケトン類等のかさ高い置換基をもつケトン類の高エナンチオ選択的水素化に世界で初めて成功した。その高い活性と立体選択性は他の追随を許さない。3)光学活性ジホスフィン配位子と様々なジアミン配位子を構成単位とするルテニウム錯体触媒ライブラリーを構築した。そのうち、DMAPENを配位子とする触媒を用い、アリールグリオキサールジアルキルアセタール類の高エナンチオ選択的水素化に世界で初めて成功した。4)上記錯体ライブラリーを用い、芳香族系イミン類の塩基性条件下における水素化反応を見出した。5)単純な塩であるLiClが、アルデヒドおよびケトンと(CH_3)_3SiCNとの反応の優れた触媒になることを発見した。1)〜3)については、実用化を指向する企業との共同研究に発展した。 この一連の研究業績が認められ、本研究者は第3回(平成18年度)日本学術振興会賞を受賞した。
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