研究課題/領域番号 |
19651048
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
ナノ材料・ナノバイオサイエンス
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
島田 敏宏 東京大学, 大学院・理学系研究科, 准教授 (10262148)
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研究分担者 |
米澤 徹 東京大学, 大学院・理学系研究科, 准教授 (90284538)
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研究期間 (年度) |
2007 – 2008
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研究課題ステータス |
完了 (2008年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2008年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2007年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 層状物質 / クラスター / 電子顕微鏡 / MoS_<2> / 移動度 / ナノクラスター / 有機半導体 / フレキシブルエレクトロニクス / 光物性 / 化学合成 |
研究概要 |
有機物は柔らかいため曲げに強い印刷可能な電子素子を作成できる利点はあるが、分子間振動のエネルギーが数十meVと低いことから、室温では振動によるキャリヤ散乱の影響が大きく、無機物に比べて移動度が桁違いに小さくなってしまう。おそらくこの理由により有機半導体の室温移動度は低い。これに対し、無機物のクラスターは溶液中で安定化するためのキャッピング層が通常絶縁物であり問題である。層状物質はもともと層に垂直方向の化学結合が閉じているためこの方向にキャッピング層は必要なく、層が積み重なる形で凝集するために空間充填率も高くなることが期待される。本研究では、層状物質をナノクラスター化することにより新たなフレキシブル電子材料を開発することを目標に、合成法と物性評価を行った。 溶液から合成した層状物質クラスターはX線回折が非常に弱く、大部分がアモルファスであることが判明した。層状構造への結晶化は600℃以上の高温が必要であった。その理由を探るため、その場加熱のできる電子顕微鏡を用いて結晶化の過程を観察した結果、400℃程度で未知の結晶構造を持つ別の準安定相ができ、それが層状物質への変化を妨げていることがわかった(論文発表済)。加熱後の物性は、今のところ半導体特性を測定できない絶縁物である。欠陥を少なくする方法が必要であり、気相を経由する方法に切り替えて研究を進めている。 本研究に関連した報文は2件、図書は1件(1つの章を担当)、国際会議招待講演が1件である。
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