研究課題/領域番号 |
20659020
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
医療系薬学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
原島 秀吉 北海道大学, 大学院・薬学研究院, 教授 (00183567)
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研究分担者 |
小暮 健太朗 京都薬科大学, 薬学部, 教授 (70262540)
秋田 英万 北海道大学, 大学院・薬学研究院, 助教 (80344472)
山田 勇磨 北海道大学, 大学院・薬学研究院, 助教 (60451431)
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研究期間 (年度) |
2008 – 2009
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研究課題ステータス |
完了 (2009年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2009年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2008年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | ワクチン / アジュバント / トポロジー / ナノ構造体 / 細胞性免疫 / 細胞透過性ペプチド / MHCクラス-I / 抗原提示 / オクタアルギニン / 抗腫瘍効果 |
研究概要 |
本年度は、アジュバントのトポロジー制御の観点からアジュバント搭載型ナノ構造体の構築とその機能評価を行った。まず認識受容体の局在が異なる2種類のアジュバントを搭載したMENDの構築を行い、細胞性免疫誘導効率への影響を調べた。polyI:Cはエンドソーム内のTLR3及び細胞質中のMda5により認識され、CpG-ODNはエンドソーム内のTLR9によって認識される。それ故、細胞への取り込み後に認識されるように、MENDの内部に抗原と共に内封した。polyI:CもしくはCpG-ODNを内封したMENDをマウスに皮下免疫し、CTL活性を測定した結果、polyI:C内封MENDを免疫したマウス群では、CpG-ODN搭載MENDを免疫した群と比較して著しく高いCTL活性の誘導が認められた。 次にpolyI:C搭載MENDとpolyI:C/R8複合体のCTL活性誘導能を比較した。その結果、polyI:C搭載MENDを免疫したマウス群の方が高いCTL活性及び抗腫瘍活性を示した。MEND内にpolyI:Cを内封することで、効率良くTLR3及びMda5に認識され、強力な細胞性免疫が誘導されたと考えられる。このことからアジュバントの機能を十分に発揮させるためには、そのトポロジーを考慮することが重要であることが示唆された。 またpolyI:CをMEND内に内封することでアジュバント投与時の炎症等の副作用が軽減されるかを調べた。polyI:C搭載MEND及びpolyI:C単独をマウス尾静脈から投与し、2時間後の炎症性サイトカインIL-6の産生を調べた。その結果、polyI:C搭載MEND投与群では、polyI:C単独投与群と比較してIL-6産生の著しい抑制が認められた。 以上の結果より、効率的な細胞性免疫誘導及び副作用の軽減には、アジュバントのトポロジーを考慮したワクチン設計が重要であることが明らかになった。
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