研究概要 |
本研究は空間データの記号表現と推論の枠組みを提案するものである.特に,2次元のオブジェクトに前後関係や相対的高さの概念が付随するような空間データを対象としてそれらを定性的に扱う仕組みを考察した.その結果以下の成果を得た.表示に関する要求が付随されている矩形を基本図形とし,与えられた複数の基本図形に対してすべての表示に関する要求を満たすような重ね合わせ方を見つける矩形推論システムを完成させ,実装するとともに推論方法の正当性を示した.また,相対的高さをもつ図形データ上で定性シミュレーションを行う手法を提案した.さらに,3次元オブジェクト同士の相対的位置関係表現の時系列が与えられたとき,そこで生起したイベントを抽出する方法を示した.
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