国際的花粉情報システム構築に向けた基礎的・疫学的研究

研究課題番号:23659345

代表者

  • 2011年度~2012年度

    • 寺西 秀豊
    • 研究者番号:40115184
    • 富山大学・大学院医学薬学研究部(医学)・准教授


研究分担者

    • 濱崎 景
    • 研究者番号:50533494
    • 富山大学・大学院医学薬学研究部(医学)・助教

この研究課題のドキュメント

研究課題基本情報(最新年度)

  • 研究期間

    2011年4月28日~2013年3月31日(予定)

  • 研究分野

    公衆衛生学・健康科学

  • 審査区分

  • 研究種目

    挑戦的萌芽研究

  • 研究機関

    富山大学

  • 配分額

    • 2011年度:2470千円 (直接経費:1900千円, 間接経費:570千円)
  • 計画額

    • 2012年度:1300千円 (直接経費:1000千円, 間接経費:300千円)

研究概要(最新報告)

テーマは、1.花粉症情報に関する調査研究と情報の発信について、2.スギ花粉飛散数と花粉症発症患者数の関係を統計解析し、発症の閾値を検討する、3.アレルギーへの食事・栄養因子の影響-血中脂肪酸と特異的IgE・RAST等の関わりについてであった。

研究1.花粉症情報に関する調査では、自動計測器(KP-1500)がダ―ラム、バーカードと有意の相関のある事を検証した上で、KP-1500によるリアルタイム花粉情報システムを構築し、当大学公衆衛生学教室のホームページで発信することができた。また、花粉情報として求められるのは、①花粉飛散量と飛散開始日、②薬、治療法のアドバイス、③翌日の飛散予測の3項目であった。

研究2.スギ花粉飛散数と花粉症患者発症日調査では、富山県医師会の協力を得て花粉症発症患者調査の実施し、累積スギ花粉数の対数値と累積患者数には年次変動の少ない安定した量反応関係があることが判明した。また、花粉数が少ない段階でも患者数は徐々に増加するが、数百から1,000個前後で、急激に増加する傾向が確認された。閾値を検討する上で最も花粉数と量反応関係が明確なのは眼鼻両方の症状を示す患者であった。

研究3.アレルギーの食事・栄養因子の影響-血中脂肪酸と特異的IgE・RASTの関わりについては、血清IgE抗体と脂肪酸(不飽和脂肪酸代謝物、エイコサノイド)との明確な相関は得られなかった。しかし血清EPA組成量別にグループ化し検討すると患者の発症閾値に若干の違いが認められた。特にEPAの低値群では累積花粉数が1000個前後でも直線的増加傾向がうかがわれた。花粉症患者発症日調査でも数百から1,000個前後で、患者が急激に増加する傾向が観察されたが、そうした患者にはEPA組成量が低いこととの関連が疑われた。発症の閾値とEPA等の不飽和脂肪酸の影響については、更に検討すべきと考えられた。

現在までの達成度(最新報告)

  • 区分

    (2) おおむね順調に進展している

  • 理由

    ・花粉情報は、今年よりホームページ上でリアルタイム情報を提供できた。花粉情報システム構築に向けた大きな成果である。・疫学調査については、調査人数、調査内容とも目標の水準に至達した。しかし、調査地域は富山県内のみで他県に広げられなかった・花粉情報の利用や有効性については、アンケート調査をもとに、現在解析中であるが、更に深い調査と解析が必要とされている。・閾値の解明を目的とする疫学調査には相当数の対象者数が必要とされる。県外に頻繁に訪問し協力依頼や現地調査を実施するには経費および人員の確保が難しく、県外に広げられなかった。

今後の研究の推進方策等(最新報告)

今後の推進方策

今後の研究の重点は、疫学研究データの解析である。3,000人以上のデータを用いて、花粉症発症閾値を解析するとともに発症閾値の違いに及ぼす諸要因を解明することが課題となっている。また、血液検査を実施した115名のデータを用いて、アレルギー起因性花粉の種類と関連性を解析し、花粉症発症に及ぼす食事・栄養因子、特に魚の摂取と生活習慣の影響を血中脂肪酸の値などを考慮した上で解析する。・花粉情報については、自動花粉計測器KP-1500を用いて表示されたデータの解析を行い、ダーラムなど従来の観測結果と対象し精度を検証する。それによりリアルタイム情報の今後の課題と方策を再考する。以上のの解析結果をふまえて、花粉情報のあり方と、その利用法に関する提言を行い、最終評価を行いたいと考えている。・海外における花粉症と花粉情報のあり方を探り、日本における実績を報告するためにも、国際学会の実行委員としての参加し、国際交流と情報発信に務める。

次年度の研究費の使用計画

・空中花粉調査費用(10万円)および花粉自動測定器の定期点検およびメンテナンス費用20万円)が経費として必要である。また、リアルタイムの花粉情報をホームページ上で発信するために、ソフト開発なども含めご協力いただいた謝金(5万円)を考えている。・血清中脂肪酸の測定と解析には、測定費用10万円(@870円×115名、消費税)、器具および試薬の購入に30万円を見込んでいる。・今年8月に東京で開催される第13回国際花粉学会議(the IPC XIII/IOPC IX 2012,August 23-30, 2012 in Tokyo, Japan)の参加と日本における花粉情報について発表を行い、世界的な状況の把握と国際的課題を整理し、今後の展望を探る。1週間にわたる出張旅費は15万円、通信費(5万円)、5発表資料の作成費(5万円)が必要となる。・最終的なまとめと評価として、過去に得られたデータを時系列に比較し、その相違点を明らかにする。発症の閾値に関わる諸要因を明らかにし、どのような総合的花粉症情報が必要とされているか評価まとめる。また、その情報をどのように発信すべきかを考察する。・得られた成果を総括し、まとめ、報告書を冊子として作成、発行する。印刷費、送料等(25万円)

このページのURI

http://kaken.nii.ac.jp/d/p/23659345.ja.html