研究概要 |
本研究では,新しい骨機能診断手法の開発を目的として,有機・無機複合ナノ構造の力学解析を行った.まず,X線回折によりアパタイト/コラーゲンからなる骨複合構造の力学解析を行った.骨組織に放射光を照射することでアパタイト結晶ならびにコラーゲン分子の両方の構造情報を含む回折光が同時に得られ,この情報から外的負荷に対する両者のふるまいを可視化し,骨アパタイト結晶およびコラーゲン分子の力学的役割を明らかにした.またその複合構造モデルとしての知見に基づき,新たな骨質評価手法としてのラマン分光法の有用性を検証するため,骨ラマンスペクトルから力学解析を行った.その結果,力学的負荷に対するラマン散乱の特性は,骨の構造異方性や加齢といった特性によって変化することが確認され,ラマン分光法が骨質評価手法として有用性を明らかにした.
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