研究概要 |
[目的] 高温・多湿の環境下で行うスポーツ活動時には高体温による熱中症や運動パフォーマンスの低下が問題となるため,特に球技スポーツのハーフタイム中などには,身体各部位を氷で冷却する様子が見られる.先行研究においても,運動間に身体各部位を冷却することで運動パフォーマンスが向上したことが報告されている.しかし、効果的な方法や生理学的影響を明らかにするには、様々な運動様式での検討が必要である.本研究は、自転車ペダリング運動を繰り返し行い,その運動間に大腿部を冷却し,パフォーマンスへの影響を検討することを目的とした. [方法] 健常男性10名を対象に,自転車エルゴメーターを用いた30分間の自転車ペダリング運動後に,大腿部前面をアイスパックで冷却した.冷却後,60秒間の自転車ペダリング運動によるパフォーマンステストを行った.パフォーマンスは,60秒間のペダリング運動中のピークパワー,ピークパワーに達するまでの時間,発揮パワーの低下率で評価した、又,運動間に冷却を行わない実験をコントロールとして設定し,クロスオーバー試験を実施した. [結果] パフォーマンス評価の項目に対して,運動間の冷却の影響は見られなかった.短時間の運動は,運動中の筋温上昇が低い為,パフォーマンスに対して,著名な影響を与えなかったと考えられた.今後は,異なる運動プロトコルを用いて、パフォーマンスへの影響を検討する予定である.
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