公募研究
新学術領域研究(研究領域提案型)
本研究課題では「報酬予測誤差を担うドーパミンニューロンを直接抑制しうる淡蒼球外節ニューロン」を同定する。応募者は前回の公募研究で遺伝子組み換えウイルスベクターによるシングルニューロントレースを用い、視床下核および淡蒼球外節の新しい投射様式を報告した(Koshimizu et al., 2013; Fujiyama et al., Neurosci2013報告)。この研究の過程で、淡蒼球外節ニューロンが黒質緻密部に投射している可能性を偶然発見した。この投射がドーパミンニューロンにシナプス接続するものであれば、ドーパミン放出を直接抑制しうる新しい因子の発見となる。上記の目的を達成するために、マウスの淡蒼球外節に、順行性トレーサーであるビオチン化デキストランアミン(BDA)を領域ごとに微量注入し、灌流固定後、脳半球全体の連続40μm厚切片を作製した上で、取り込まれたBDAを染色し、可視化した。淡蒼球外節は線条体からの投射の違いを反映するかたちで、抗カルビンディン(CB)抗体を用いた免疫染色により3領域に区分されることが知られている。トレーサーの注入部位はこの3領域を区分したうえで打ち分けた。投射先がドーパミン作動性ニューロンであることを特定するために、ドーパミンの前駆体であるL-ドーパを産生するために必要な酵素であるチロシンヒドロキシラーゼ(TH)に対する免疫染色をおこなった。これにより淡蒼球外節ニューロンの投射軸索とドーパミン作動性ニューロンとのアポジションを確認したため、現在定量解析中である。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Nature Communications
巻: in press
http://ncircuit.doshisha.ac.jp/