研究概要 |
エタノールをバイオマスから醗酵生産することは, 潜在的な石油資源の不足の時代を迎えて重要な意義をもっている. 他方, エタノールの生産はこれまで酵母に依存してきたが, エネルギー資源としてエタノールを生産するためには, エタノール生産性の高いZymomonas細菌(2菌)が酵母よりも有利と考えられる. しかし, Z菌の最大の欠点は醗酵できる糖の種類がグルコース, フラクトース, スクロースに限られることである. 本研究では, 遺伝子組換え技術を用いてZ菌を育種して, 本菌の醗酵性糖の種類を拡大することを目的として, その基礎となるZ菌の遺伝生化学的検討を行った. 以下に, 3年間の研究成果をまとめた. 1)Zymomonas細菌と大腸菌間のシャトルベクターの作製 2)Zymomonas細菌における異種遺伝子の発現 3)Zymomonas細菌のプロモーター検索用ベクターの作製と, プロモーターDNAの検索分離 4)Zymomonas細菌のプロモーターDNAの解析 5)Zymomonas細菌の形質転換法の確立 6)Lac^+プラスミドを有するZymomonas細菌の, ラクトースからのエタノールの生成 7)Zymomonas細菌のガラクトース代謝 8)Zymomonas細菌へのα-カラクトシダーゼ遺伝子の導入と発現 9)Zymomonas細菌のスクロース醗酵性遺伝子のクローニング 10)Zymomonas細菌に見出された一本鎖DNAに特異的に作用するスクレアーゼZ_1
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