研究課題/領域番号 |
61110002
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研究種目 |
特定研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
豊島 久真男 東大, 医科学研究所, 教授 (90029760)
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研究分担者 |
西村 暹 国立がんセンター, 研究所, 部長 (20076970)
竹田 忠行 東京大学, 医科学研究所, 助手 (90188194)
助川 淳 東京大学, 医科学研究所, 助手 (30187687)
山本 雅 東京大学, 医科学研究所, 助教授 (40134621)
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研究期間 (年度) |
1984 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
25,000千円 (直接経費: 25,000千円)
1986年度: 25,000千円 (直接経費: 25,000千円)
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キーワード | がん遺伝子 / トランスフォーミング遺伝子 / チロジンキナーゼ / 増殖因子レセプター / 染色体座位決定 |
研究概要 |
1.c-yesに関連して:c-yes-1,c-yes-2,c-fgrを解析、染色体マップも行った。さらに、c-yes-1の全構造を決定した他、新たにc-syn,c-lynを発見、CDNAの解析により非レセプター型チロシンキナーゼ遺伝子と決定した。 2.c-eroBが多くの扁平上皮がん培養細胞や一部手術材料で遺伝子増幅していることを見出した。さらに関連遺伝子としてc-erbB-2を発見した。多くの腺がんで遺伝子増幅していることを見出すと共に、CDNAの全構造を解析して、185KのEGFレセプター類似のレセプターをコードするものであることを確定した。erbB-2蛋白質はチロシン燐酸化酵素活性をもつ、又EGFレセプターと両者を発現している細胞では、相互作用のある事を示した。 3.c-srcからV-srcへの誘導メカニズムについては、S-1,S-2の2種の新らしい誘発ウイルスを解析することにより、5例は組換え又は組込みとスプライシングであることを確認した。従来うまく解析されていなかった3'例の組換えについては逆転写レベルで、正又は逆向きのホモロジーを通じて遺伝子の組換えがおこることを示唆するデーターを得た。 4.NIH3T3細胞を用いたトランスフェクションによる新たなヒトがん由来トランスフォーミング遺伝子は、新種3株を得、1つはrat,他2つは全くの新種と考えている。ratは組換えによる活性化で、5'側が大巾に欠損し、リポコルチン遺伝子の5'側と組換えをおこしていることを見出した。 5.がん遺伝子産物蛋白質に対する抗体の作成は、c-erbB-2で最も進みC末のポリペプチドに対する抗体の他、N末のレセプタードメインに対する抗体作成も行っている。一部の抗体は蛋白質の酵素活性の測定やヒトがんにおける蛋白質発現の検査に用いうることが明らかとなった。他のプロトオンコジンについてもE.coliを用いての蛋白質合成が可能になってきた。
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