研究分担者 |
寺田 雅昭 国立がんセンター研究所, 部長 (10124421)
西塚 泰美 神戸大学, 医学部, 教授 (10025546)
角永 武夫 大阪大学, 微生物病研究所, 教授 (00160987)
関口 睦夫 九州大学, 医学部, 教授 (00037342)
山本 雅 東京大学, 医科学研究所, 助教授 (40134621)
黒木 登志夫 東京大学, 医科学研究所, 教授 (90006073)
川名 尚 東京大学, 医学部, 教授 (90010272)
吉田 廸弘 北海道大学, 理学部, 助教授 (60001765)
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研究概要 |
最近のバイオサイエンスの進展は目覚ましいものがあり, その基礎研究の展開は, がん遺伝子とその作用の研究を中心として発がん機構の解明へ手がかりを作りつつある. 我が国の研究もその重要な一翼を担っているものの, この分野における世界的な研究者の層の厚さを考えれば, 新しい研究の展開や技法の開発は一時も目も離せない状態にある. 過去3年間は「先進国との交流」班によって第1線の研究者同志の直接の接触によって論文や手紙より, はるかに濃度の高いアイディアや研究材料の交換を行ってきた. このことによって論文上惑いは私的な手紙の交換や研究材料の交換を中心として行ってきた交流を大幅に加速することができた. 従来の交流の成果をふまえてより高度な交流を進めることによって研究推進への反映をはかりたい. 特に日仏, 日独間にはワークショップを通じての緊密な情報交換を行う. human gene mappingのワークショップを通じ, 70種におよぶがん遺伝子及び関連遺伝子のヒト染色体上のマッピング, がんにおける染色体異常, 固型がんの染色体分析などの交流があった. 又カポシ肉腫のトランスフォーミング遺伝子やhst.intー2がFGF(fibrobrast growth factor)と似ていることやjunが発現制御タンパク質APー1であることなど多くの知見が交換された. ウイルスについては特にヒトパピローマウイルス(HPV)についてE6,E7領域のトランスフォーム能や新しいがん関連のHPVー42プローブの入手などがあった. 発がん領域においても多くの情報交換に加え, 膜裏打ちタンパク質の燐酸化の生物機能やアルキル化剤傷害DNA修復におけるメチルトランスフェラーゼの識別に関する共同研究の打合せなどが行なわれた. 又日独がんワークショップ「化学発がんの分子生物学」を西ドイツ・エッセンで, 日佛がんワークショップ「がん遺伝子」を京都において開催し, 新しい成果の交換を行った.
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