研究課題/領域番号 |
62450006
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
倫理学
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研究機関 | 上智大学 |
研究代表者 |
大谷 啓治 上智大学, 文学部, 教授 (30053557)
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研究分担者 |
鈴木 宜明 (鈴木 宣明) 上智大学, 文学部, 教授 (30053531)
R・L シロニス (R.L シロニス) 上智大学, 文学部, 教授 (60053500)
F ペレス 上智大学, 文学部, 教授 (30053466)
K リービンフーバー (K リーゼンフーバー) 上智大学, 中世思想研究所, 教授 (60053633)
橋口 倫介 上智大学, 文学部, 教授 (80053453)
渡部 菊郎 上智大学, 文学部, 講師 (30191810)
門脇 佳吉 上智大学, 文学部, 教授 (30053490)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
1988年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1987年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
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キーワード | 善 / 幸福 / 法 / 選択 / 自由意志 / 正義 / 人格 / 自然本性 / 自由意思 / 目的 / 悪 / 魂 / 救済論 / 志向性 |
研究概要 |
本研究は、西洋中世における倫理学の基礎付けの発展を、古代末期キリスト教思想の伝統から修道院神学と前期スコラ学を経て、特に盛期スコラ学に重点を置きながら、中世末期まで辿り、倫理思想の異なった諸形態を構造的に分析し、また、それらが影響を受けた思想と当時の心性を解明することを目的とした。研究者による共同研究と個人研究を組み合わせた計画に従って、中世の重大な思想家を中心にし、それぞれの倫理思想の全体的特徴と根本概念を探究し、またその人間論的・存在論的諸前提に遡ることによって、中世における倫理哲学と実践哲学の根源的統一を吟味することが出来た。体系的な問題としては、善一般と人間的善、個人の完成と社会の共通善、人間の本性と道徳的命法、幸福論と人間の宗教的使命、倫理的なものの客観的な模範とその認識の仕方、倫理的対象の構造と自由選択の本質、基本価値としての正義と愛などの間の関係は、中世思想の全体にわたって共通の問題意識を形作っているが、基本的に異なった倫理学の根拠付けの試みとしては特に以下のものが区別されるようになった。 1.カンタベリーのアンセルムスにおける自由意志論的で内在論的な形式論理学、 2.ベトルス・アベラルドゥスの神法的根拠に基づいた実在論的倫理観、 3.フレルヴォーのベルナルドゥスに見られる、対人格的で恩寵論的な道徳思想と、リヴォーのエルレドゥの友愛論としての倫理観、 4.サン=ヴィクトル学派の新プラトン主義的で観想的な道徳思想 5.ボナヴェントゥラの展開した、キリスト中心的道徳体系 6.アリストテレスの倫理学と神学的・哲学的人間論の結合による、トマス・アクィナスの倫理学の基礎付、 7.ドゥンス・スコトゥスにおける、独立した実践学としての倫理学の基礎論 8.マイスター・エックハルトの主知主義的で存在論的な倫理観、9.ウィリアム・オッカムにおける唯名論的で生意主義的な倫理学の再構成。
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