2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19360105
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
宗像 鉄雄 National Institute of Advanced Industrial Science and Technology, エネルギー技術研究部門, 研究グループ長 (90358143)
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Keywords | 熱工学 / 省エネルギー / エネルギー効率化 / 結晶成長 |
Research Abstract |
蓄熱密度が比較的大きい水和塩を温熱蓄熱に用いることを目標に、平成19年は相図が良く知られている酢酸ナトリウム三水和物(融点58℃)を対象に、結晶成長に対する電場、過冷却度、濃度の影響に関し実験を行うと伴に凝固プロセスのモデル化を行った。電場の影響に関しては、結晶核生成に対する電極材料の影響、結晶成長速度および相分離現象に対する電場の影響について種々の電場を印加し実験を行ったが、いずれの場合も電場による明確な差異は見いだせなかった。結晶成長速度に対する過冷却度と濃度の影響に関しては、内径9.4mmのガラス管中で凝固させると、過冷却度が低い場合には、針状の結晶があらゆる方向に成長するようになり、凝固速度の測定が困難となったが、内径0.5mmの細管を用いた場合には、結晶の成長方向が細管の軸方向となり、過冷却度が小さい場合にも安定して結晶成長速度を計測することができた。これらの実験結果から、過冷却度48Kまで、濃度40〜55%までの範囲で結晶成長速度に関する過冷却度と濃度の影響に関する実験整理式を得ることができた。水溶液の凝固プロセスのモデル化に関しては、一般に、凝固の進行と伴に結晶成長界面で濃度・凝固点温度が変化し、結晶成長界面の形状も平坦ではなくなるため複雑な計算を必要とするが、平成19年度は、(1)結晶成長界面形状は平坦、(2)実験で得られた凝固速度に従って結晶は成長する、(3)固相の最高到達温度は融点、(4)融液内対流は無視できる、(5)凝固は円筒容器内で軸対称に進む、と単純化してモデル化を行った0実験結果と同様の条件を用いて本モデルによって得られた結果を種々の条件で比較した結果、ほぼ同様の温度変化となったことから、本モデルの有効性を確認できた。
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