2021 Fiscal Year Research-status Report
がんで長期入院中の子どもの理解 看護師の「アンテナ」と「何か言いたそうな感覚」
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19K19657
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Research Institution | Komazawa Women's University |
Principal Investigator |
秋田 由美 駒沢女子大学, 看護学部, 准教授 (40551081)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 看護師 / アンテナ |
Outline of Annual Research Achievements |
臨床看護実践におけるアンテナの概念分析を行い、論文投稿した(秋田由美:臨床看護実践における「アンテナ」の概念分析,駒沢女子大学研究紀要【人間健康学部・看護学部編】(4),85-92,2022.3)。その分析結果で明らかになった臨床看護実践における「アンテナ」の定義属性は【意図的に研ぎ澄ませる感覚(五感・直感)】【対象から発せられるサインに向ける注意】【対象から発せられるサインや変化を見逃さない心構え】【判断材料にするための情報収集】【臨床経験の中で磨かれる受信能力】であった。先行要件に<良くない病状や変化><言語的コミュニケーションによる理解が困難な対象><何が起こるか予測が難しい状況>があり、結果として<ケアの必要性の判断>、<対象理解>が生じていたことが明らかになった。臨床看護実践における「アンテナ」の概念を明らかにしたことで、臨床看護師が語る「アンテナ」を理解する手がかりを得ることができた。看護実践の中で使用されているものの、その概念が明確になっていない言葉を明確に定義することは、一部の経験豊富な看護師が無意識に行なっている看護実践をより多くの看護師にも実践可能にする一助となる。 しかし、文献に明文化されている「アンテナ」は一部であり、その概念はより複雑である可能性がある。そのため、本研究では、臨床実践看護師を対象としたインタビュー調査を行い、その概念をより詳細に明らかにしていくとともに、この能力の発達を促す関連因子を明らかにする。これらを明らかにすることで、経験の浅い看護師がこれらの感覚を身に着ける際の一助となると考える。以上より、上記の概念分析結果を参考に調査に用いるインタビューガイドを作成し、研究倫理審査を受け、2022年3月に承認を得て、調査を開始した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
Covid-19感染拡大の影響を受け、研究のための時間を十分に確保できず、全体の進捗が遅れている。また、本研究では小児がん拠点病院に勤務する看護師をインタビュー対象者とするため、インタビュー調査におけるCovid-19感染リスクを減少させる必要があった。そのため、インタビュー調査の方法を検討し、onlineインタビュー調査を可能にするための準備に時間が必要であった。
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Strategy for Future Research Activity |
倫理審査の承認を得た研究計画に則って研究を進めていく。インタビュー調査・分析には時間を要するため、必要な場合には研究期間の延長を申請する。
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Causes of Carryover |
インタビュー調査の開始が遅れたことにより、次年度使用額が生じた。次年度はインタビュー調査を実施するため、インタビュー対象者への謝金、音声データの文字起こしや資料整理に関する人件費等に使用する。インタビュー調査をonlineで行うことから、必要に応じてパソコン周辺機器の購入も検討する。
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Research Products
(1 results)