2012 Fiscal Year Annual Research Report
感性・イメージ表現療法システムの開発と緩和ケアへの応用
Project/Area Number |
24390493
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Nara Sangyo University |
Principal Investigator |
吉岡 隆之 奈良産業大学, 情報学部, 非常勤講師 (90285354)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 志津枝 神戸市看護大学, 看護学部, 教授 (00149709)
江川 幸二 神戸市看護大学, 看護学部, 教授 (90276808)
藤原 桜 神戸市看護大学, 看護学部, 助教 (00582628)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | がん看護 / 緩和ケア / ホリスティックナーシング / イメージ療法 / 感性表現 / 代替療法 / 癒し / 芸術 |
Research Abstract |
本研究は、医療や福祉の臨床で有用性が認められている芸術交流活動である「フィーリングアーツ」の活動を、ホリスティックナーシングの観点から、看護技術の手法として緩和ケアに広く応用するための「感性・イメージ表現療法」を確立し、がん患者・家族の苦痛の軽減、療養生活の質の向上に寄与することを目的とする3ヵ年計画の研究である。初年度にあたる平成24年度の成果は次のとおりである。 1.「フィーリングアーツ」は、芸術家の北村義博が創作した、絵画と光彩と音楽を融合させた体感型の統合芸術である。この「フィーリングアーツ」の活動は、現状では「フィーリングアーツ・ライトコントロール(肌CON)」システムを用いて行われている。この「FALCON」システムは、大型特殊スクリーン、パソコンと調光ソフト、調光コントローラー、液晶プロジェクター、音響機器(デッキ、アンプ、スピーカー)で構成されている。これらの構成機材のうち「大型特殊スクリーン」は、北村自身が約2ヶ月かけて制作するため、大量生産は不可能で、しかも高価であり、看護技術の手法の機材として一般的に普及させることは困難である。そこで本研究では、まず「大型特殊スクリーン」をバーチャル化し、既存の調光ソフトと融合させることにより、安価で簡便で量産可能な「感性・イメージ表現療法」システムを開発し、そのシステムを用いて、従来の「フィーリングアーツ」の活動に相応する「フィーリングアーツ」のパフォーマンスを行うことが十分に可能であることを確認した。 2.本研究に関連する、緩和ケア、ホリスティックナーシング、補完代替医療、統合医療等の資料・文献の検討を行い、また実際にホリスティックナーシングや統合医療を取り入れている国内外の施設等の視察を行い、本研究を今後遂行する上で有用な成果を得た。さらに平成25年度に行う科学的検証の方法と実施施設等を検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究代表者の所属機関の変更(異動)により研究開始時期が遅くなったが、開始後の進展が極めて順調であったため、最終的に当初の研究計画どおり順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画どおり、緩和ケアの臨床において、今回開発したシステムを用いて「感性・イメージ表現療法」を実施し、その効果等について量的・質的な科学的検証を行う。また先進的な取り組みを行っている米国の緩和ケア施設等を視察し、同時に今回開発したシステムに関して専門家やスタッフから意見聴取を行う。最終的には、看護技術の手法として緩和ケアに応用することが可能な「感性・イメージ表現療法」の確立を目指す。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
直接経費次年度使用額が151,305円(平成24年度直接経費の約1.8%)となっているが、これは、平成24年度の使用実績において、当初の計画より物品費、旅費、人件費(当初は人件費に計上していたが実際は業者に委託した)が少なくなったことによるもので、その増額分は、次年度(平成25年度)の物品費、旅費、その他の経費(委託費)として使用する予定である。
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