研究領域 | 超温度場材料創成学:巨大ポテンシャル勾配による原子配列制御が拓くネオ3Dプリント |
研究課題/領域番号 |
21H05199
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研究種目 |
学術変革領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
学術変革領域研究区分(Ⅱ)
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研究機関 | 一般財団法人ファインセラミックスセンター |
研究代表者 |
木村 禎一 一般財団法人ファインセラミックスセンター, その他部局等, 主席研究員 (10333882)
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研究分担者 |
篠田 健太郎 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エレクトロニクス・製造領域, 主任研究員 (10442732)
伊藤 暁彦 横浜国立大学, 大学院環境情報研究院, 准教授 (20451635)
吉川 健 大阪大学, 大学院工学研究科, 教授 (90435933)
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研究期間 (年度) |
2021-09-10 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
114,140千円 (直接経費: 87,800千円、間接経費: 26,340千円)
2024年度: 23,270千円 (直接経費: 17,900千円、間接経費: 5,370千円)
2023年度: 20,540千円 (直接経費: 15,800千円、間接経費: 4,740千円)
2022年度: 20,540千円 (直接経費: 15,800千円、間接経費: 4,740千円)
2021年度: 29,120千円 (直接経費: 22,400千円、間接経費: 6,720千円)
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キーワード | 超温度場プロセス / セラミックス / 結晶成長 / 気相析出 / パウダースプレー / 超温度場 / レーザー / プロセス科学 / 光と物質の相互作用 |
研究開始時の研究の概要 |
レーザーを加熱源とするセラミックス製造プロセスの確立を目指し、その基礎科学を構築する。特に、部材内部の微構造に由来する局所加熱や部材表面近傍の選択的加熱の結果生じる急峻な温度勾配(=超温度場)を積極的に活用した「超温度場焼結」「超温度場コーティング」について検討を行う。実験データの蓄積によるプロセス現象の定性的理解、さらには、その場観察手法の開発によって、「セラミックス超温度場プロセス科学」を創生する。
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研究実績の概要 |
本研究では、超温度場を用いた新たなセラミックス製造プロセスの創出を目指す。特に、レーザーによって生じる特異な高エネルギー場を活用した、1)バルクセラミックスの短時間焼結の開発とそのメカニズムの解明、2)気相からの共晶系セラミックス複合材料の作製、3)異種基材界面の応力を制御可能な微粒子スプレーコーティング技術、の3つの新プロセス技術開発を通じて、新奇なプロセス現象の解明とその学理構築を進めている。超温度場レーザー焼結では、アルミナ用レーザー焼結助剤を新たに開発し、この助剤を用いることによりこれまでのレーザー焼結では困難だった比較的低出力での緻密焼結ができることを明らかにした。また、レーザー焼結挙動のその場観察を目的として進めている超温度場結晶成長モニタリングでは、レーザー照射中の顕微観察を可能とするシステムを構築し、局所加熱下での溶融挙動の観察に成功した。また、メカニズム解明のために、本システムでの観察により適した材料系の検討を行った。超温度場CVDでは、共晶組織類似の微構造を有する複合組織が気相析出により形成されることを見いだし、蛍光体およびシンチレータ材料としての優れた特性を示すことを明らかにした。超温度場微粒子スプレーでは、種々の波長でのレーザー照射が可能な装置を開発し、また、超温度場を評価可能な測温技術を構築してレーザー照射直後、レーザー停止直後の急峻な温度変化を定量的に評価することに成功した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究代表者/分担者が担当する各プロセス研究基盤の中核となる装置の設計および導入が完了し、立ち上げから初期実験への取り組みが進んだ。他方、当初予定していた材料系を用いた実験、特にその場観察や高速測温技術の開発のなかで、研究の進捗に伴って、超温度場の理解のためにより適していると思われる材料系があったため、対象とする材料系を拡大したが、学術基盤構築のために必要な取り組みであると考えている。また、超温度場CVDでは、当初の想定以上に研究が進捗し、共晶組織を有するセラミックス複合材料の創製と、得られた膜の結晶化学的微構造の解明、光機能材料としての性能評価に至った。
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今後の研究の推進方策 |
超温度場レーザー焼結については、A01班との連携/協働により、セラミックス3Dプリントの基盤技術としての可能性を探る。また、超温度場結晶成長モニタリングについては、A01およびA02班における金属の溶融凝固過程、金属組織の形成に関する取り組みとの連携を探り、金属とセラミックスの超温度場プロセス現象の共通点や相違点を明らかにしたい。超温度場CVDおよび超温度微粒子スプレーについては、CVD下で生じる反応最表面近傍での大きな温度勾配を明らかにし、セラミックスのレーザーにおける超温度場に関する理解と、超温度場での気相析出、溶融凝固過程の解明を進める。
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