研究課題/領域番号 |
08454084
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
固体物性Ⅰ(光物性・半導体・誘電体)
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
小松 晃雄 大阪市立大学, 理学部, 教授 (90047134)
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研究分担者 |
赤井 一郎 大阪市立大学, 理学部, 講師 (20212392)
唐沢 力 大阪市立大学, 理学部, 教授 (90106336)
飯田 武 大阪市立大学, 理学部, 教授 (80047191)
KOMATSU Teruo Faculty of Science, Osaka City University, Professor (90047134)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
7,900千円 (直接経費: 7,900千円)
1998年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1997年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1996年度: 6,300千円 (直接経費: 6,300千円)
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キーワード | ホットウオール法 / 超薄膜 / Bil_3 / ファンデアワールスエピタキシャル成長 / 光学応答 / 高密度励起子 / 共鳴遷移 / 非線形光学応答 / BiI_3 / ファンデアリールスエピタキシャル成長 / 層状半導体 / ホットウォール法 / エピタキシャル成長 / 励起子遷移 / 量子サイズ効果 |
研究概要 |
@試料作成はホットウォール炉を組み込んだ清浄真空槽を用い、Bil_3超薄膜結晶の育成を試みた。Cdl_2単結晶の臂開面を用いた基板と、ファンデアワールスエピタキシャル積層の結晶成長ができるとされているCaF_2単結晶の(111)劈開面の基板で、Bil_3起薄膜を成長させた。また、Cdl_2をマトリックスとしてBil_3板状結晶の種々の大きさのものを成長させた試料も準備し、得られた試料を光学測定、透過電子顕微鏡写真、および原子間力顕微鏡(AFM)により評価し、比較した。 1) Cdl_2単結晶の劈開面の基板で、基板温度35〜50C、成長速度12A/secでは良好な単結晶と対応する吸収線幅の小さな励起子スペクトルを示し、膜厚が数十層と厚く、表面局在励子(2.lleV)、Cdl_2/Bil_3界面局在励起子(2.096eV)以外に複数の励起子ピークも現れた。Bil_3結晶1基本層厚(7A)を目指した超薄膜試料の光吸収スペクトルでは、Cdl_2をマトリックス中と同じBil_3微結晶の成長を示唆する結果が得られた。分子性励起子モデルでの解析結果から、基本層の整数倍単位で種々の膜厚のものがモザイク状に形成し、AFMによる積層状態の表面の直接観測からもミクロン単位の島状構造が確認された。電子顕微鏡による構造解析と光学測定の結果からから基板に層状結晶を用いても、Cdl_2/Bil_3の沃素の最稠密構造との整合性のため、Bil_3側に約1%の格子縮みが生じ、理想的なファンデアワールスエピタキシーではないことが解った。 2) 基板にCaF_2単結晶の(111)劈開面を用いると、2.02eVに新たに半値幅の小さな励起子吸収線が現れた。励起子発光は同位置に共鳴発光を示す。AFMによる観測結果はミクロン以下の島状結晶の成長が認められ、膜厚を基本層程度に薄くすると100nmの微結晶が表面に分布する。この試料の発光スペクトルの光強励起依存性を調べることを試みたが、十分な信号強度が得られなかった。一方、Cdl_2をマトリックスとした1基本層の板状結晶の非線形光学応答を調べると、励起強度に比例して成長する音響型格子と相互作用して緩和する発光帯いがいに、非線形に成長する発光帯が新たに観測された。この発光帯は微結晶中に励起された2励起子状態と考えられ、サイズが小さい微結晶では2励起子状態は安定に存在できないことが示唆された。
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