配分額 *注記 |
14,000千円 (直接経費: 14,000千円)
2002年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2001年度: 3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
2000年度: 7,900千円 (直接経費: 7,900千円)
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研究概要 |
1.当該研究期間の間に,急激な葉温降下ストレスに敏感な植物として,イワタバコ科15種,キツネノマゴ科3種が見つかった. 2.急激な温度変化が刺激として認知されるには,温度の降下速度が重要であると考えられる.速度を変えて実験したところ,3℃/秒以上の速さで温度が降下したときに障害が発生した.温度の絶対的な降下程度ではなく,降下の速さが重要で,急激な表皮収縮が外部刺激として認知されるのではないかと考えられた. 3.植物体への物理的な傷つけ処理(葉やシュートの切除を含む)は,その処理部位と離れた健全部に葉温降下ショックと類似の障害(細胞の褐変壊死)を引き起こした.傷つけ処理と葉温降下ショックは,障害の引き金として同じ反応を引き起こすものと推察された. 4.傷刺激に対する急激な細胞死には温度,光強度,湿度などの環境要因が関与していること,および植物には物理刺激に対して非常に敏感な状態(過敏感状態)が存在することが示唆された.過敏感状態はそれ以前に受けた傷や温度変化などで誘導された興奮(警戒)状態で,その後の外部刺激に対して全身の感度を高める状態ではないかと考えられた. 5.乾燥条件で水ストレスがかかるほど,傷つけによる興奮状態誘導が起こりやすいことが明らかになった. 6.高温は興奮状態を誘導しやすい条件であることが示された. 7.興奮状態の誘導には日変化があることが示された.午前中は誘導の程度が低く,午後に高まり,夜には誘導されなくなった.この結果から,頭上かん水を行う場合は,午前の方が好適であることが示唆された.
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