配分額 *注記 |
11,000千円 (直接経費: 11,000千円)
2003年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2002年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2001年度: 7,500千円 (直接経費: 7,500千円)
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研究概要 |
金属と不活性粒子とを共析させる複合電析は,金属および不活性粒子単独では得られない物性や機能を付加することの出来るプロセスである。本研究では,水溶液を溶媒とする電析では得ることが困難なナノ粒子が均一に分散した電析物を得ることを目的に,非水溶媒として,分子性有機溶媒であるジメチルスルホンを用い金属Alとナノ粒子の複合電析について調べるとともに,新規なイオン性液体として,trimethyl-n-hexylammonium bis((trifluoromethyl)sulfonyl)amide(TMHA-Tf_2N)を開発し,イオン性液対中で金属イオンの酸化還元挙動を詳細に調べ,MgおよびZn-Mg合金電析を試み,イオン性液体の水分含有量と金属電析挙動の関係について検討した。 水を含まないジメチルスルホン浴を使用し,水溶液からは分散性良く共析させることが困難なサブミクロンサイズのSiO_2微粒子やAl_O_3微粒子のみならずカーボンナノチューブやナノメートルオーダーのTiO_2粒子も分散性良く共析したアルミニウム複合電析物を得ることに成功した。 イオン性液体(TMHA-Tf_2N)を用いることによって,金属Mgの電析が可能であることを確認した。Zn-Mg合金電析に関して,イオン性液体の水分含有量の影響について検討した。その結果,水分含有量が多い電解浴から得られた電析物ではZn, Mgともに酸化物として析出した。脱水処理を施し水分含有量減少させた電解液から電析を行ったところ,金属Znの析出が確認できたが,Mgの含有量は減少し,金属Mgの析出は確認できなかった。本研究で用いたイオン性液体はフッ素を含有し疎水性であるとされているが,わずかな水分含有量が電析物に影響することが明らかになった。 以上より,本研究で用いた非水溶媒からの電析により,従来水溶液からの電析では得られなかった金属合金が得られるばかりでなく,ナノ粒子が均一に分散した電析物を得ることができ,今後さまざまな複合材料への本プロセスの適用が期待できる。
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