研究概要 |
本研究は,複雑曲面のコンピュータ・グラフィックス及び形状モデリングの分野に属する.本研究では,最近申請者らが提唱した,陰関数曲面の「確率過程的サンプリング法」に基づき,ポリゴンや2次・3次曲面(の集合)では容易に表現できない複雑曲面に安定して適用可能な,高速・精密な可視化手法を開発した.同時に,単なる可視化にとどまらず,曲面の形状理解に関連した様々な3次元情報を高速数値計算によって取得するための,新しい手法を開発した.具体的な研究成果は以下のとおりである. 1.確率過程サンプリング法を改良し,非常に複雑な曲面に対して,より安定して動作するようにした. 2.確率過程サンプリング法を拡張し,開いた曲面や曲面の衝突部分を可視化できるようにした.また動く2曲面の衝突部分を4次元グラフィックスに基づいて静止画で解析する手法を開発した. 3.確率過程サンプリング法が並列処理に適した手法であることを確認した. 4.確率過程サンプリング法とホモトピーの手法を組み合わせて,曲面のモーフィング(変形アニメーション)のための新しい手法を開発した. 5.5確率過程サンプリング法を用いて多重積分を高速数値計算する手法を開発した. 1,2の成果を国際会議Eurographics 2001で発表し,また,雑誌論文としても発表した.3の成果は国際会議Korea-Japan Computer Graphics Conference 2001で発表した.4の成果は情報処理学会全国大会等で発表した.5の成果は雑誌論文として発表予定である.
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