配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2004年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2003年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2002年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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研究概要 |
有限要素法が苦手とする歯車のかみ合い部分の境界条件を,歯面の修整量や誤差をも含めて,うまく表現できる歯面膜要素の開発に成功した.この歯面膜要素は歯面上におかれた厚さのない仮想の要素であり,かみ合い部の荷重分布評価を可能にするものである.一方,この歯面膜要素を効果的に活用できると考えられる解析法に,Global Local有限要素法(GLFEM)がある.これは解析領域を有限要素解だけで表すLocal領域と有限要素解に解析解を重ね合わせて表すGlobal Local領域に分け,ポテンシャルエネルギ最小の条件で場を決める解析法である。そこで用いる解析解として,半無限体表面の四角形領域に等分布荷重が作用したときの解をBoussinesqの解を積分することにより求めた.さらに,Glabal Local領域を独立した複数個の領域に取る定式化をおこない,ここの歯面膜要素をこのGlobal Local領域とするソルバーの開発に着手した.残念ながら,現在までのところ開発を完了できなかった. 一方,開発している歯車の応力解析システムの信頼性を確認するために,円筒歯車の静的な負荷かみ合い試験機を設計・製作し,感圧フィルムを用いた歯面分布荷重の測定が可能となった.しかしながら,感圧フィルムの力学的性質が金属のそれと大きく異なるため,得られた結果をそのまま金属歯車のかみ合い状態を表すとは考えられない.そこで,これをヘルツの接触理論を用いて補正することを考え,測定結果を有効に評価する方法にめどをつけることができた.また,感圧フィルムの非可逆性が正確な測定を困難にすることが判明したため,非可逆のセンサの開発にも着手した. さらに,最終的な目標である歯車を含んだユニット全体の解析をも視野に入れ,問題となる軸受剛性の取り扱い法を明らかにするため,軸受剛性の評価実験も始めている.
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