研究課題/領域番号 |
14595001
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
水循環システム
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
清水 達雄 北海道大学, 大学院・工学研究科, 教授 (10029291)
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研究分担者 |
中林 昭 月島機械株式会社, 環境エンジニアリング部, 部長(研究職)
深澤 達矢 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助手 (80292051)
橘 治国 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (90002021)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2003年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2002年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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キーワード | 小河川の生態系 / 遊離塩素 / 結合塩素 / 塩素耐性藻類 / Chlorolobion braunii / 界面活性剤 / ノニルフェノールエトキシレート / ノニルフェノールカルボキシレート / 窒素・リン除去 / 高度処理システム / 嫌気性流動バイオリアクター / 非イオン界面活性剤 / 下水の再利用 / Chlorolobion braunni / 三次元励起・蛍光スペクトル |
研究概要 |
塩素消毒した下水処理水を修景用水として用いている安春川を下水再利用のケーススタディとして取り上げ、小河川の生態系を構成する付着藻類の増殖に及ぼす遊離塩素および結合塩素(モノクロラミン)の影響を検討した。遊離塩素および結合塩素が残留する放流口から2km地点より上流部ではChlorolobion brauniiおよびChlorolobion sp.が優占種として出現し、2kmより下流ではChlorolobion sp.の増殖も観察されるが、緑藻類、珪藻類および藍藻類などが出現し、上流部に比して出現種数は多いことが判った。Chlorolobion brauniiおよびSelenastrum capricornutumを供試藻類として用い、遊離塩素および結合塩素の藻類増殖への影響をバイオアッセイによって評価した結果、Selenastrum capricornutumはChlorolobion brauniiに比して極めて高い感受性を示し、この結果は安春川における藻類種の分布を反映している。Chlorolobion brauniiは遊離塩素より結合塩素に対して高い感受性を示した。界面活性剤およびその分解生成物は微量汚染物質の中では、下水や自然水域に多く含まれ、生態系に悪影響を及ぼすとされている。本研究ではノニルフェノールエトキシレート(NPnEO ; n=エトキシ基数)とその分解物の下水処理過程および自然水域での挙動について調査研究を行った。創成川処理場では最初沈殿地処理水のNPnEO濃度が流入下水の約1/2に減少し、活性汚泥処理水では極めて低濃度であり、エトキシ基がカルボキシル基に酸化され、親水性のノニルフェノールカルボキシレート(NPnEC ; n=1〜4)として存在した。疎水性の強い短鎖NPnEOは活性汚泥相へ移行したと考えられる。自然水域ではノニルフェノールが極微量(0.2ppb以下)検出され、NPnEC(n=1〜4)が水中に低濃度(数ppb)存在した。また茨戸湖の上部および下部湖盆の底泥中には0.5〜0.7μ/g dwのノニルフェノール化合物(NPおよびNPnEC、n=1)が検出された。中部湖盆では、底泥の深さ方向に濃度分布(NP=0.3〜8μ/g dw、NPnEC(n=1)=0.6〜11μ/g dw)が観察された。この濃度分布はNPnEOの使用量を反映しているものと考えられた。
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