研究課題/領域番号 |
18790182
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
薬理学一般
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
青山 晃治 帝京大学, 医学部, 講師 (00420943)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2007年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2006年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | パーキンソン病 / EAAC1 / グルタチオン / MPTP / N-アセチルシステイン |
研究概要 |
マウスパーキンソン病(PD)モデルを用いて、パーキンソン病における神経型グルタミン酸トランスポーター(EAAC1)の役割を明らかにするために、MPTPを腹腔内投与したマウスを用いて実験を行った。MPTPを投与したマウスでは、ロタロッドテストにおいて運動機能の低下を認めた。また酵素反応を用いたグルタチオン(GSH)測定では、MPTP投与マウスの中脳グルタチオンは低下しており、N-アセチルシステイン(NAC)、もしくは7-ニトロインダゾールの腹腔内前投与により改善した。中脳組織の免疫二重染色では、MPTP投与マウス中脳のEAAC1陽性細胞における酸化ストレスの増大を認めた。またMPTP投与マウスにおいては、EAAC1がニトロ化されていることを免疫沈降法により確認した。これらの変化はNACの前投与により改善した。 MPTP/MPP^+によるEAAC1の機能障害を証明するために中脳スライスカルチャー、および培養細胞を用いて実験を行った。EAAC1の重要な機能であるシステインの細胞内取り込みは、MPP^+、過酸化水素、EAAC1阻害薬前処置により減少した。システイン、GSHの測定は蛍光マーカーであるABD-Fを用いてHPLC法により測定した。NACの投与は中脳におけるシステイン・GSH量を増加した。またCMFDA用いた免疫染色では、中脳ドパミン神経細胞のGSH量が、NAC投与により増加していることを確認した。 システインはGSH産生を調節する重要なアミノ酸である。MPTP投与マウスにおいては、中脳ドパミン神経細胞が酸化ストレスを受けることによりEAAC1の機能障害を引き起こし、システイン取り込みの低下、ひいてはGSH産生の低下を引き起こしていると考えられた。また、NACは中脳ドパミン神経細胞においてGSH量を増加させ、PD動物モデルにおいて運動機能を改善する効果を持つと考えられた。
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