研究課題/領域番号 |
19H01090
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分59:スポーツ科学、体育、健康科学およびその関連分野
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研究機関 | 新潟医療福祉大学 |
研究代表者 |
大西 秀明 新潟医療福祉大学, リハビリテーション学部, 教授 (90339953)
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研究分担者 |
田巻 弘之 鹿屋体育大学, スポーツ生命科学系, 教授 (40253926)
大鶴 直史 新潟医療福祉大学, リハビリテーション学部, 教授 (50586542)
佐藤 大輔 新潟医療福祉大学, 健康科学部, 教授 (60544393)
田口 徹 新潟医療福祉大学, リハビリテーション学部, 教授 (90464156)
児玉 直樹 新潟医療福祉大学, 医療技術学部, 教授 (50383146)
前田 史篤 新潟医療福祉大学, 医療技術学部, 教授 (00341157)
山代 幸哉 新潟医療福祉大学, 健康科学部, 准教授 (20570782)
犬飼 康人 新潟医療福祉大学, リハビリテーション学部, 准教授 (20757801)
山本 智章 新潟医療福祉大学, その他部局等, ロコモティブ症候群予防研究センター副センター長 (30445902)
小島 翔 新潟医療福祉大学, リハビリテーション学部, 講師 (10780330)
齊藤 慧 新潟医療福祉大学, リハビリテーション学部, 講師 (80707315)
宮口 翔太 新潟医療福祉大学, リハビリテーション学部, 講師 (60780343)
横田 裕丈 新潟医療福祉大学, リハビリテーション学部, 講師 (20827472)
長坂 和明 新潟医療福祉大学, リハビリテーション学部, 講師 (70833812)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
44,200千円 (直接経費: 34,000千円、間接経費: 10,200千円)
2023年度: 6,630千円 (直接経費: 5,100千円、間接経費: 1,530千円)
2022年度: 6,630千円 (直接経費: 5,100千円、間接経費: 1,530千円)
2021年度: 8,970千円 (直接経費: 6,900千円、間接経費: 2,070千円)
2020年度: 11,700千円 (直接経費: 9,000千円、間接経費: 2,700千円)
2019年度: 10,270千円 (直接経費: 7,900千円、間接経費: 2,370千円)
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キーワード | 体性感覚 / MEG / MRI / MRS / TMS / 脳磁図 / 脳構造 / VBM / 二点識別覚 / 体性感覚機能 / 触覚方位弁別覚 / 中側頭回 / 下頭頂小葉 / 知覚学習 / fMRI / BDNF / BDNF遺伝子多型 / 短潜時求心性抑制 / 感覚機能 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では脳機能イメージング法(磁気共鳴装置,脳磁計,経頭蓋磁気刺激装置,脳波計等)を駆使して,体性感覚機能を客観的に評価するためのバイオマーカーを開発し(プロジェクト1),次に体性感覚機能を向上させるための知覚学習法を開発する(プロジェクト2).その後,知覚学習が運動遂行能に及ぼす影響を明らかにするとともに(プロジェクト3),動物実験を通して知覚学習の神経基盤を明らかにする(プロジェクト4).これらを通して,「知覚の可視化」と「知覚学習法の確立」を達成するとともに,感覚運動連関に焦点をあてた「次世代感覚運動学習法」の創出に向けた基盤を構築する.
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研究実績の概要 |
本研究課題の目的は,①体性感覚機能を客観的に評価するためのバイオマーカーの探究,②体性感覚機能を向上させるための知覚学習法の開発,③知覚学習が運動遂行能に及ぼす影響の解明,④動物実験を通した知覚学習の神経基盤解明である. 2022年度はまず,二点識別覚(2PD)および触覚方位弁別覚と脳構造との関連性をテーマにした研究成果を論文化した(Cerebral Cortex誌).健康なボランティアを対象にして,特注の検査装置を用いて2PDを測定し,2PD閾値と3T-MRIスキャナーを用いて取得した個人のT1強調画像を対象にして算出した灰白質容積との関係性を解析した.その結果,2PD閾値が低いほど(すなわち体性感覚機能が優れているほど),中側頭回から下頭頂小葉までのGM容積が少ないことが判明した.このことから,皮質GM体積は体性感覚機能のバイオマーカーとなり得る可能性があることが明らかになった.この結果を踏まえ,同じ被験者を対象にして,脳磁界計測装置を用いて,体性感覚誘発脳磁界(ペアパルス抑制含む)および安静時脳磁界を計測し,2PDと誘発脳磁界および安静時脳活動との関連性を解析した.その結果,安静時脳活動において,一次体性感覚野と後頭頂葉との機能的結合(β帯域)の強度と2PD閾値とが正の相関関係を示すことが判明した.また,動物実験においては,青斑核への異なるリズムの電気刺激(0.1,1.0,4.0 Hz)が一次体性感覚野の興奮性に与える影響を解析した.その結果,1.0Hzでの刺激条件においてのみ,刺激中および刺激後60分まで一次体性感覚野の興奮性が増大することが判明した.すなわち,青班核への1.0Hzへの入力が知覚学習の効果を向上させる可能性が示唆された.現在これらのデータを整理し論文化を進めている.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
体性感覚機能を反映するためのバイオマーカーを探索するため,様々な脳機能計測機器を利用し,体性感覚機能と皮質構造や皮質活動との関係性を解析している.現時点で,研究実績の概要欄に記載したように大脳皮質の下頭頂小葉から中側頭回にかけての灰白室容積が体性感覚機能のバイオマーカーとなり得る可能性があることを明らかにした.さらに,一次体性感覚野と後頭頂葉との安静時のβ帯域機能的結合強度が2つ目のバイオマーカーの候補としてあげられた.また,動物実験において,青班核への刺激入力が一次体性感覚野の興奮性に及ぼす影響を明らかにし知覚学習への応用が示唆された.このことから当初計画通りに進んでいると判断した.
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今後の研究の推進方策 |
2023年度は,人を対象にした脳磁図を用いて計測した機能的結合の強度と体性感覚機能との関係性,および動物実験の青班核刺激と一次体性感覚野興奮性に関するデータを整理し論文化する.加えて,①擦刺激時における脳活動の計測・解析,②脳内神経修飾物質と脳活動および体性感覚パフォーマンスとの関係を計測・解析,③知覚学習のメカニズムを探求するために構築した動物実験システムを活用し,複雑な触圧覚刺激(擦るような刺激)時の皮質活動を計測・解析する予定である.
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