研究課題/領域番号 |
20K02020
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07100:会計学関連
|
研究機関 | 法政大学 |
研究代表者 |
高橋 美穂子 法政大学, 経営学部, 教授 (20438104)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | 資本コスト / 期待リターン / 会計情報 |
研究開始時の研究の概要 |
近年のファイナンス研究の成果によれば,市場全体の資産価格変動の大部分は,フロー情報よりも割引率の変動によることが示されてきた。さらに割引率の推定において重視される複数リスク・ファクターのひとつに会計情報が含まれていることから,本研究では変動する割引率と会計情報の関係を探究することを通じて,資産価格理論における会計情報の重要性を明らかにすることを試みる。
|
研究実績の概要 |
本研究の目的は、会計情報と株主資本コスト(割引率)の関係の探求を通して、資産価格理論における会計情報の有用性を明らかにすることである。2022年度も引き続き、関連する先行研究の文献調査を行い、そこで示されている理論モデルや実証分析の方法、また新たに示された実証的証拠の含意を考察した。 Penman et al.(2018)は、会計数値の作成基礎にある会計原則がリスクやそれに見合った期待リターンと関連することを示すフレームワークを提示している。そこでは、リスクファクターとして示される会計変数をブラックボックス化するのではなく、なぜそれらの会計変数がリスクや期待リターンと関係を有しているのかを会計原則と整合的に説明することが試みられている。さらに、このフレームワークに基づいて行われている一連の実証研究では、保守主義の原則や収益認識における実現原則に基づいて作成される会計情報には、リスクや期待リターンに関する情報が織り込まれていることを示す分析結果が得られており、資産価格理論の観点から会計情報の有用性を示す証拠の蓄積が進んでいる。 例えば、小野・椎葉・村宮(2022)は、Penman and Zhang(2021)のリサーチデザインを一部改良し、日本のデータを用いて実証分析を行った。そこでは、会計原則の特徴を考慮して構築された2つのファクター(要約損益計算書ファクターと要約貸借対照表ファクター)が、市場ファクター以外の各種ファクターの情報を要約したファクターとして機能することが示されており、会計原則の影響を明示的に考慮した資産価格モデルの構築が有望であることが示唆されている。またPenman and Zhu(2022)は、消費ベースの資産価格理論を出発点として、会計情報と消費および消費に対するリスクとの関係を考察し、会計情報を用いたファクターの構築を試みている。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2022年度は、先行研究の文献調査ならびに実証分析を行うことを計画していたが、実証分析を進めることができなかったため。
|
今後の研究の推進方策 |
文献調査のレビュー内容をペーパーとしてまとめる。その内容を踏まえた上で実証分析を実施し、研究会や学会などで発表することで、研究内容の改善を図る。
|