研究課題/領域番号 |
20K03311
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分10010:社会心理学関連
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研究機関 | 都留文科大学 |
研究代表者 |
市原 学 都留文科大学, 教養学部, 教授 (10406788)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2021年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2020年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
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キーワード | 自動的共感 / 共感の非対称性 / 共感性 / 過程分離手続き / 感情的共感 / 感情プライミング課題 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、感情プライミング課題から感情的共感の成分を単離抽出すること、および多項方程式を用いたモデリングの妥当性を検証することを目的とする。これまで心理学において感情的共感を測定する方法はほとんどみられなかった。本研究はそういった測定の限界を克服するうえで一定の成果を上げるものと思われる。そして他の分野の方法論(顔面筋の測定、fMRI)との整合性を検討していくことで、学際的な研究が期待でき、感情的共感の解明に寄与していくものと思われる。
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研究実績の概要 |
本研究は感情プライミング課題から「自動的共感」を抽出することを目的としている。これまでに、(1)ターゲット刺激に反応するための時間を操作することによって、意図的制御過程であるIパラメータが変化すること、(2)ターゲット刺激の感情価の出現頻度を操作することで習慣的反応傾向であるBパラメータが変化することを明らかにしてきた。さらに、2022年度はプライム刺激の親近性を操作することで非意識的、自動的過程であるUパラメータが変化することを明らかにした。これまでのところ、過程分離手続きによって感情的、自動的共感を抽出できたと考えられる。 また、本研究では共感の非対称性についても検討している。気分一致効果の実験では、ネガティブ感情においてはポジティブ感情ほどの気分一致効果はみられないと指摘されている(Blaney, 1986)。このような非対称性について、Clark & isen(1982)は人はポジティブ感情の維持高揚に動機づけられている一方で、ネガティブ感情に対しては、それを修復しようと動機づけられていると説明している。このような知見をふまえれば、感情的、自動的共感についてもポジティブ、ネガティブ感情への共感性には程度の違いがあるとも考えられる。2020年度に行った実験では、ポジティブ感情への共感性が強くみられた。2021年度に行った実験では、ポジティブ、ネガティブ感情に対する共感性には違いが見られなかった。2022年度に行った実験では親近性の高い対象に対してはポジティブ感情への共感性が強く見られ、親近性の低い対象に対してはネガティブ感情への共感性が強く見られた。このように、現在までのところ共感の非対称性については一貫した結果が得られていない。今後は共感の非対称性を説明するような調整変数の存在を明らかにしていくことが必要であろう。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2022年度は計画していた実験を遂行できた。 しかしながら、それ以前(2020、2021年度)の研究の遅れの影響は免れていない。
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今後の研究の推進方策 |
これまでのところ、過程分離手続きによって感情的、自動的共感を抽出することはできたといえる。 しかしながら、「5.研究実績の概要」でも述べたように、これまで行ってきた実験(1、2、および3)から、共感の非対称については一貫した結果が得られていない。この点については先行研究を調べながら、非対称性を説明するような調整変数を見つけていく必要がある。そのうえで、感情、自動的共感のメカニズムを実験的に検討し、詳細なモデル構築を目指していきたい。
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