研究課題/領域番号 |
21H01523
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分24010:航空宇宙工学関連
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
河合 宗司 東北大学, 工学研究科, 教授 (40608816)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
17,160千円 (直接経費: 13,200千円、間接経費: 3,960千円)
2023年度: 6,110千円 (直接経費: 4,700千円、間接経費: 1,410千円)
2022年度: 5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
2021年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
|
キーワード | 圧縮性熱流体 / 乱流境界層 / 高レイノルズ数流れ / データ駆動科学 / LES / 圧縮性流体 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、航空機の性能や安全性に大きな影響を持つ圧縮性乱流境界層現象に対し、開発してきた高次精度・圧縮性流体解析コードと最新鋭のスパコンを駆使した大規模直接数値解析から、複雑流体現象を高忠実に再現する時空間大規模データベースを構築する。また構築する高忠実な大規模データベースの理論的およびデータ駆動的アプローチの両面を駆使した多角的解析から、圧縮性乱流境界層現象の物理メカニズムや物理法則を明らかにし、航空機などの圧縮性高レイノルズ数流れに高忠実な数値解析を適用可能とする汎用性の高い物理モデルを確立する。
|
研究実績の概要 |
本研究課題2年目となる本年度は、研究初年度に構築した衝撃波および壁面熱流束を伴う非平衡剥離乱流境界層現象のデータベースに対し、LESにおける内層乱流モデリング(壁面モデル)の観点からのデータベースの解析を実施した。また開発した平衡壁面モデルおよび境界層の非平衡効果を考慮した非平衡壁面モデルに対して構築したデータベースと同条件での解析を実施し、非平衡効果を考慮することでよりロバストなモデルの構築が可能であることを明らかにした。また壁面熱流束を伴う乱流境界層現象では、ローカルな密度や粘性係数の変化を考慮するセミローカルスケーリングを壁面モデルに導入することで、壁面熱流束を伴う乱流境界層現象においても壁面モデルLESの予測精度が大幅に向上することを明らかにした。さらには壁面熱流束を伴う衝撃波と乱流境界層干渉の低周波自励振動現象の壁面モデルLESによる再現性についての検証を開始した。 加えて本年度は、衝撃波および壁面熱流束を伴う非平衡剥離乱流境界層現象を伴う実環境・高レイルズ数流れ条件における応用的課題である、遷音速強制振動翼現象および過膨張ノズル内現象の壁面モデルLES解析にも着手した。また並行して、引き続きResolvent解析による遷音速バフェット現象の衝撃波自励振動維持機構の解明を含め、大規模非線形複雑流体データからどう本質的な流体挙動を抽出し、その物理機構の理解や物理モデル構築につなげていくかというデータ駆動型アプローチについても研究を進めた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究初年度に構築した非平衡剥離乱流境界層現象データベースをLESにおける内層乱流モデリング(壁面モデル)の観点から解析し、モデルで非平衡効果を考慮することの有効性や、新たにローカルな密度や粘性係数の変化を考慮するセミローカルスケーリングを壁面モデルに導入し、その有効性を示すことができた。また加えて実際の高レイルズ数流れ条件における応用的課題である、遷音速強制振動翼現象および過膨張ノズル内現象の壁面モデルLES解析にも着手できた。このような状況から、達成度はおおむね順調に進展しているとした。
|
今後の研究の推進方策 |
研究最終年度は、構築した壁面モデルLESによる衝撃波および壁面熱流束を伴う実際の高レイルズ数流れ条件における応用的課題である遷音速強制振動翼現象および過膨張ノズル内現象の解析を実施し、データ駆動型アプローチも併用しながらモデルの有効性検証および物理機構の解明を進める。
|