研究課題/領域番号 |
21H02832
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52010:内科学一般関連
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研究機関 | 東京有明医療大学 |
研究代表者 |
高倉 伸有 東京有明医療大学, 保健医療学部, 教授 (60563400)
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研究分担者 |
矢嶌 裕義 東京有明医療大学, 保健医療学部, 准教授 (00563412)
高山 美歩 東京有明医療大学, 保健医療学部, 講師 (20563414)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
16,380千円 (直接経費: 12,600千円、間接経費: 3,780千円)
2023年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2022年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2021年度: 7,670千円 (直接経費: 5,900千円、間接経費: 1,770千円)
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キーワード | 鍼 / 脳卒中 / 痙性 / ダブルブラインド / プラセボ |
研究開始時の研究の概要 |
脳卒中後遺症である痙性麻痺は運動制限や痛みを伴い生活の質の著しい低下をきたし、要介護の大きな要因となるが、有効かつ副作用が少ない治療は未だ確立されていない。一方、副作用が少ない鍼は痙性に有効だとして広く用いられているが、現代医学的な厳密な手法に基づく検証はなされていない。本研究では痙性に対する鍼の効果を最も厳密な科学的検証法であるダブルブラインド下(治療者も患者もその治療に効果があるかないかわからない状態)でのランダム化比較臨床試験を実施し検証する。本研究により鍼の有効性を立証できれば、より良いリハビリ療法の確立、介護費用の増大やそれに伴う社会的・経済的負担の軽減にもつながる。
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研究実績の概要 |
令和3年度は、共同研究実施施設との研究デザインのすり合わせと確認を行い、東京有明医療大学倫理審査委員会にて臨床研究の実施が承認された。 特注ダブルブラインド鍼の試作を業者と行ったが、当初の想定に反し、我々が望むダブルブラインド鍼の仕様と、業者が製作した特注ダブルブラインド鍼の試作品との間に乖離があり、長期にわたる複数回の調整等を行ったため、令和3年度内には特注ダブルブラインド鍼の発注ができず、その組み立てやランダム化した治療用鍼のセット、共同研究実施施設との業務委託契約と研究参加者募集は実施できなかった。 繰り越して実施した令和4年度は、仕様の変更に伴い完成が遅れていた特注ダブルブラインド鍼が完成し、ダブルブラインド鍼製作のための各部品が納品され、ダブルブラインド本物鍼とダブルブラインドプラセボ鍼の組み立てと、エチレンオキサイドガス滅菌(外部委託)を終え、臨床試験で使用する本物鍼とプラセボ鍼の、ランダム化に基づく治療用鍼セットの準備を終えた。また、臨床研究に使用するための諸々の備品等を準備した。 鍼の製作や組み立てなどの下準備を行うと同時に、研究実施担当者それぞれに対する患者への対応、研究プロトコル、ダブルブラインド鍼を使った鍼治療、治療効果の判定のための測定事項・質問紙などの評価項目についての最終確認を行い、それらについての最終調整と準備を行った。更には、共同研究実施施設や研究補助者との業務委託契約書を作成し、それぞれの契約を締結するための準備や、臨床研究参加者を募るための案内の準備を進めた。 鍼の単価を下げるため、令和3年度分で鍼のすべてを納入し製作や組み立てを優先して行ったため、その後に予定していた共同研究実施施設との業務委託契約、臨床研究を想定したシミュレーション(予備研究)は実施できなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
我々が望むダブルブラインド鍼の仕様と業者が製作した特注ダブルブラインド鍼の試作品との間に乖離があり、長期にわたる複数回の調整等を強いられ、その完成が大幅に遅れたため、令和3年度内に終わらせる予定であった臨床試験で使用する特注ダブルブラインド本物鍼とダブルブラインドプラセボ鍼用の部品の納入が大幅に遅れ、その後の組み立て、鍼セットの製作等、臨床研究に必要な準備が令和4年度にずれ込んだ。そのため当初予定していた、共同研究施設や研究補助者との契約締結、本研究を想定したシミュレーション(予備研究)も行うことができず、実際の患者に参加していただく臨床試験を開始するには至らなかった。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、鍼の共同研究施設や研究補助者と契約締結を行い、令和3年度分で実施し完成に至った特注ダブルブラインド鍼を用い、研究実施担当者に対する研究プロトコル、鍼治療についての研修を行う。またそれに合わせて治療効果の判定を行うための測定事項・質問紙などの評価項目についても、それらの研究実施担当者に対して研修を行い、その後、実際の患者を想定した臨床研究のシミュレーション(予備研究)を実施して、臨床研究が滞りなく進むよう準備をする。同時に、共同研究施設との契約締結を終え次第、共同研究施設による患者募集を速やかに開始していただき、臨床研究を開始する。 ただし、臨床研究の開始が非常に遅れていることを考慮し、研究の実際の手順等の短縮、効率化や計画変更も視野に入れて、シミュレーションを行い、最善策を検討する。
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