研究課題/領域番号 |
21K07740
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構 |
研究代表者 |
U・Winn Aung 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 量子医科学研究所 分子イメージング診断治療研究部, 主任研究員 (70392214)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 光線治療 / チェレンコフ放射 / 光増感剤 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、光増感剤を投与した後特定の光で照射する光線治療が、新たながん治療法として注目されている。光増感剤が光を浴びると一重項酸素が発生し近くの細胞を死滅させる。しかし、光線治療には、光増感剤を励起するための外部光源が必要であり、全身治療には適していないという制限がある。本研究は、治療用放射性核種から放出されるチェレンコフ放射(CR)が光線治療用光増感剤を励起する内部光源となり、外部光源を使用せずに相乗的ながん治療効果が期待できることを検討する。この目的を達成するために、適切な候補となる放射性同位元素と光増感剤を用いてin vitroおよびin vivoの実験を行い、光線治療方法の進化に目指す。
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研究実績の概要 |
癌は最も悲惨な病気の一つである。癌の第一選択治療は、外科手術、化学療法、放射線療法などの複数の治療法ですが、近年、光増感剤を投与した後、特定の光で照射する光線治療が、新たな革新的ながん治療法として注目されている。光増感剤が光を浴びると一重項酸素が発生し近くの細胞を死滅させる。しかし、光線治療には、光増感剤を励起するための外部光源が必要であり、全身治療には適していないという制限がある。本研究の目的は、治療用放射性核種から放出されるチェレンコフ放射(CR)が光線治療用光増感剤を励起する内部光源となり、外部光源を使用せずに相乗的ながん治療効果が期待できることを検討することである。 2022年度は、様々な実験を行った。IVIS 光イメージング、VISQUE 光イメージングシステム、 CMOS cameraなどを用いて、放射性同位元素64Cu、90Yから放出されるCRを確認した。そして、CRで励起される最適な候補の光増感剤を検討した。スペクトロフルオロメーターによる光増感剤の吸光度と蛍光スペクトルの測定、光イメージングシステムによる蛍光発光可視化などを行った。結果、モデル光増感剤としてテトラキス(4-カルボキシフェニル)ポルフィリン、CRを生成する放射性核種として64Cuを選択した。次に、IVIS光イメージングシステムと高透過率ロングパスフィルタフィルターを適切に組み合わせて、CRで誘起された光増感剤の蛍光発光スペクトルをシンプルかつ低コストな方法で識別できた。この方法は、有効な新光増感剤の発見とチェレンコフ放射-介在性光線治療開発に貢献できる。 また、腫瘍に特異的に結合し、外部光源の光で励起される葉酸受容体を標的とした光増感剤の新たな候補を並行して検討し、評価も行った。光増感剤候補を用いた近赤外線光線力学療法の有効性を、葉酸受容体過剰発現腫瘍モデルを用いて前臨床レベルで実証した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
光イメージングシステム装置の不具合修理やコロナウイルス大流行の間接的な影響により予定していた実験の一部に遅れが生じたため。
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今後の研究の推進方策 |
目的を達成するために、必要なインビトロおよびインビボの実験を行い、光線治療の進化を目指す。 一方、今まで得られた研究結果などを纏めて学会・論文発表などを行う。
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