研究概要 |
本研究では抗HER2治療の抵抗性因子であるp95HER2の新規測定法確立のため,モノクローナル抗体の作製を行った. p95HER2のN末端部分の合成ペプチド(Met611-Cys623)をKLHに結合し,免疫原として用いた.ハイブリドーマ作製後, ELISA法を用いたスクリーニングおよびドット・ブロット法を用いた抗体反応性の確認の結果, Met611-Cys623ペプチドへの特異性を示すクローンが得られた.さらにホルマリン固定パラフィン包埋セルブロックを用いて免疫組織化学法における適用性について検討したところ, p95HER2陽性細胞株において,陽性反応が確認された.これらの結果より,本抗体を用いたHER2治療抵抗性予測のための生化学的そして免疫組織化学的診断法の開発が可能と考えられた.
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