研究課題/領域番号 |
22K00728
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02100:外国語教育関連
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研究機関 | 松山大学 |
研究代表者 |
池上 真人 松山大学, 経営学部, 教授 (60420759)
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研究分担者 |
青木 信之 広島市立大学, 国際学部, 教授 (80202472)
渡辺 智恵 広島市立大学, 国際学部, 教授 (80275396)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | eラーニング / 文法 / 理解度 / 英語eラーニング / 復習 / LMS |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、英語学習における復習を効果的に行うために、学習項目の理解と定着を促進することができる eラーニングシステムの開発を目指す研究である。本研究では、LMS(Learning Management System)に記録された情報、学習者自身の主観的情報、問題間の関連性の情報、の3つの情報を組み合わせて、学習を通して学習者の理解度を適切に把握できる新しい測定の仕組みを構築することを試みる。
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研究実績の概要 |
本研究は、LMSの学習データと学習者自身の判断及び問題項目間の関連性を利用して3種類の理解度リストを作成し、それぞれを比較しながら、学習者が実際に理解できている事項を明らかにすることを目的とした研究である。 調査には文法問題を用いた。文法問題は23項目の計740問で、各項目に20~90問の文法問題を設定されている。令和4年度は、学習者本人による「主観的判断による理解度リスト(主観リスト)」、問題の正誤による「客観的判断による理解度リスト(客観リスト)」、問題間の関連性による「関連性による理解度リスト(関連性リスト)」の作成を試みた。しかしながら、学習者による「主観リスト」については信頼性のあるデータの収集に至らなかったため「主観リスト」の作成は次年度以降に再度行うこととし、今年度については「客観リスト」及び「関連性リスト」の作成を行った。 「客観リスト」を作成するために正解率を集計したところ、1回目の正解率は全体平均で58.4%、2回目は60.1%であった。しかしながら、1回目に正解した問題のうち26.9%は2回目で不正解であった。つまり割合で示すと、全体では1回目も2回目正解した「理解できている項目」は全体の42.6%、「理解が不安定な項目」は15.7%、「理解ができていない項目」は41.6%であった。 「関連性リスト」作成のために各文法項目の正解率を集計したところ、23項目それぞれの正解率は44%~64%であり、正解率の低い項目は「名詞構文・無生物主語」「名詞」「話法」など、正答率の高い項目は「動詞と時制」「助動詞」「完了形」「分詞」であった。仮に項目正解率の基準を60%とすると、23項目中11項目が60%未満であった。 2つのリストの作成過程から、問題の正誤と実際の理解度との間の乖離を示すデータを得られたため、次の段階として理解度の数値化を進めていくこととした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の計画では、令和4年度に学習者自身による復習リスト「主観的判断による理解度リスト」を作成予定であったが、そのリストの作成が遅れている。その理由としては、リスト作成において、受講者が「復習が必要ない」と判断したのか、それとも機能を使わなかったのかの判断ができなかったためである。信頼性のあるデータを得るには、学習者への提示方法など、さらなる工夫が必要であるため、進捗状況は「やや遅れている」とした。
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今後の研究の推進方策 |
学習者自身による復習リスト「主観的判断による理解度リスト」の作成については、プログラムでの提示方法も含めて、再考する必要がある。学習としてのプログラムに影響を及ぼすことを最小限にしつつ、実験としてのある程度の強制性を持ってプログラム受講者に判断をさせる必要があることから、学習者にさらなる負担をかけることなく、復習リストの作成を進めるための工夫を行う必要がある。復習リストを作成することが学習にもつながるような工夫を検討中である。
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