研究課題/領域番号 |
22K12103
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分61010:知覚情報処理関連
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研究機関 | 一橋大学 |
研究代表者 |
WANG YU 一橋大学, 情報基盤センター, 准教授 (60724169)
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研究分担者 |
加藤 ジェーン 立命館大学, 情報理工学部, 教授 (70251882)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 歩行者検出 / 歩行者属性認識 / 交通シーン理解 |
研究開始時の研究の概要 |
交通事故による死者数のうち,最大の割合を占めるのは歩行者である.歩行者の死亡事故を将来にわたって削減していくためには,運転者に対する歩行者に特化した危険回避支援が必要となる.本研究はこの視点に立ち,車載カメラ映像から,潜在的な危険を有する「要注意歩行者」を早い段階で検出する技術を開発する.本研究の実施により,運転者に対して,より重要な情報をより早い時点で提供することが可能となり,時間の余裕をもった危険回避操作の促しなどで,事故を未然に防ぐ効果が期待できる.また,自動運転技術などへの波及効果も見込まれる.
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研究実績の概要 |
本研究は、早期の交通危険回避を支援するために、「要注意歩行者」の検出技術の確立を目標としている。この目標は、[1]歩行者検出と環境属性(3D位置、遮蔽状況)認識手法の開発、[2]歩行者固有属性(年齢、所持品、服装)詳細認識手法の開発、[3]歩行者行動属性(動きの方向・速度、方向・速度の可変性)認識手法の開発、及び[4]「要注意歩行者」の判定手法の開発により実現する。令和4年度では[1][2][4]について、それぞれの研究開発を行った。 研究項目[1]については、「2.5D候補領域生成アルゴリズム」は歩行者検出と環境属性認識を同時に行うための鍵となる。令和4年度は、このアルゴリズムに関する大規模な評価実験を実施出来なかったが、予定通りに基本実装を実現したため、概ね順調に進んでいる。 研究項目[2]については、詳細認識のためのCross-layer Mutual Attention Learning Network(CMAL-Net)という深層モデルを提案した。CMAL-Netは歩行者固有属性認識タスクにおいて優れた認識精度を出しただけではなく、汎用性のある詳細認識手法として、標準の詳細認識ベンチマークデータセット(FGVC AircraftとStanford Cars)においてもstate-of-the-artの認識精度を達成した。当初提案したCNN-STN-CNNモデルの代替手法として今後も活用していく予定である。 研究項目[4]について、「要注意歩行者」の判定ルールを学習するために、一定数の学習サンプルが必要である。令和4年度は、学習サンプルの収集方針を検討して、収集作業を開始したが、十分な数のサンプルを収集するにはまだ時間を要する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究項目[1]と研究項目[2]については順調に進んでいる。研究項目[4]については、データの収集は予定通り進まなかったが、研究全体の進展に影響はないと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
研究項目[1]に関して、まず令和5年度の前期までに、「2.5D候補領域生成アルゴリズム」の大規模な評価実験を実施する。また、令和4年度に実現した基本実装をさらに改良し、速度と精度の両面を向上させる。 研究項目[2]に関して、CMAL-Netの実装をさらに改良する。 研究項目[4]に関して、学生アルバイトを雇ってデータ収集を手伝ってもらい、令和5年度までに十分な学習サンプルを確保する。 また、令和5年度から、研究項目[3]の歩行者行動属性認識の開発をスタートする予定である。当初の提案では、LSTM-RNNをベースとする手法を開発する予定だったが、Self-Attentionを用いたTransformersも活用していく。
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