研究課題/領域番号 |
22K18764
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分19:流体工学、熱工学およびその関連分野
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
河合 宗司 東北大学, 工学研究科, 教授 (40608816)
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研究期間 (年度) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2023年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2022年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
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キーワード | 数値流体力学 / 機械学習 / LES / 流体力学 / 乱流 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、高忠実な乱流シミュレーション、LES (Large-eddy simulation)の抜本的低コスト化を目指し、機械学習による画像生成技術を応用した流れの超解像再構成を活用し、再構成された流れの非解像成分が解像成分に与えるマルチスケール相互干渉効果を超粗格子LES方程式に導入する。これにより、これまで困難とされてきた遥かに粗い格子上でも高忠実な流れの予測を可能とするLES手法の確立に挑戦する。
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研究実績の概要 |
本研究課題では通常のLESよりも粗い格子を用いたLESの実現を目指し、機械学習による画像生成技術を応用した超粗格子LES方程式における散逸・駆動効果モデリングを試みる。研究初年度となる本年度は、チャネル乱流を対象とし、粗格子LESからDNS相当の流れの超解像再構成を可能とする教師なし機械学習パイプラインモデルを確立した。本機械学習パイプラインモデルは、粗格子LESで得られる流れをfiltered DNS相当の流れに再構成する教師なし学習CycleGANと、filtered DNS流れからDNS相当の流れに超解像するconditional GANによるモデルの2部分から構成されるモデルである。本機械学習パイプラインモデルのキーとなるアイディアは、粗格子LESの流れがfiltered DNSとは大きく異なる様相を示すため、これまでのfiltered DNSをLES相当と見立てたfiltered DNSからDNSに超解像する既存の手法とは異なり、教師なし機械学習CycleGANを用いて粗格子LESの流れを一度filtered DNS相当の流れに再構成した点である。またa prioriテストを実施し、本提案教師なし機械学習パイプラインモデルにより、粗格子LESからDNS相当の流れの超解像再構成がロバストに実施できるようになり、粗格子LESにおけるSGS応力成分の評価が可能となることを示した。また加えて、教師なし機械学習パイプラインにより算出されたSGS応力は正拡散のみならず負拡散も持つことも明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
超粗格子LESで得られる流れはfiltered DNSで得られる流れとは大きく異なることが粗格子LESのSGSモデル構築の大きな課題だと事前に認識していたが、画像生成分野の最新の研究成果である教師なし学習CycleGANを応用することにより、粗格子LESからfiltered DNS相当の流れの再構成に成功した。また加えてCycleGANとconditional GANをパイプラインとしてつなげる機械学習モデルを構築することにより、超粗格子LES方程式における散逸・駆動効果モデルの構築にa prioriテストではあるが成功した。このような状況から、達成度はおおむね順調に進展しているとした。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、構築した教師なし機械学習パイプラインモデルに関して、学習データ数を増やしモデルの収束性を確認する予定である。特に得られるSGS応力の負拡散を含む応力分布は学習データ数に依存することが予想される。またその収束性確認後、教師なし機械学習パイプライン基づく超粗格子LESのSGSモデルをLESソルバーに組み込み、実際に粗格子を用いたLES解析により本機械学習による流れの超解像再構成に基づくSGSモデルの性能や計算の安定性などを検証していく。
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