1.マッハツェンダー干渉計とシュリーレン法により噴流拡散火炎中の組織的な渦を可視化した。火炎中心には燃料噴流に基づく小さな巻き込み渦が存在し、火炎周囲には浮力に基づく大きなスケールの渦が確認された。中心渦は火炎基部で線形成長するが、下流では渦の合体を通して、非線形成長をすることが確認された。また火炎周囲の渦のスケールは流速の増加とともに減少することが確認された。また温度とOH発光強度の測定と可視化画像の比較から、噴流拡散火炎においては、火炎帯が中心の渦と周囲の渦の間に形成されていることが確認された。 2.マッハツェンダー干渉計とシュリーレン法による火炎の可視化とレーザ・ドップラ流速計による速度測定から中心渦の火炎への影響は火炎基部に限られることが明かとなった。また火炎周囲の渦は火炎の広い範囲に及ぶことが明かとなった。 3.噴流拡散火炎の中心部に存在する組織的な渦はその影響は火炎基部に限られるが、この影響は火炎の安定性に強く影響する。付着火炎では燃料噴流の乱流への遷移が中心渦によって抑制され、その結果火炎が安定化される。一方浮き上がり火炎では燃料噴流中の組織的な渦は火炎付着の不安定要因となり、渦の形成されている領域には火炎は保持されず、渦の崩壊する位置で火炎は保炎されることが確認された。 4.二次元混合層の中で発達する火炎への組織的な渦の影響を明らかにするため、数値解析を行い、速度差の影響について検討した。その結果、速度比の増加は組織的な渦のスケールを増大させるが、火炎には冷却効果となり、保炎力を低下させ、吹き飛びの原因となることが解明された。
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