骨形成タンパク質(BMP)はTGF-βスーパーファミリーに属するタンパク質で、骨芽細胞の分化に強く関与していることが示唆されている。本研究ではBMPレセプターをクローニングすると共に、それらのレセプターを持っている、骨芽細胞様株細胞を用い、細胞内シグナル伝達の機構解析を行った。実験に用いたBMPは主にBMP-7(OP-1)で細胞はMC3T3-E1およびST-2細胞で方法としはDifferential Display法を用いBMPによって発現する遺伝子の解析をおこなった。主な結果は以下のごとくである。 1) BMP-7でアルカリホスファターゼ活性が増加した。 2) アルカリホスファターゼの活性上昇に続いてオステオカルシン遺伝子の発現を確認した。 3) Differential Display法でBMP-7で16時間後に誘導される77個の遺伝子を単離した。 4) 単離した遺伝子の多くは既知のものであった。 5) BMPにより誘導される遺伝子、発現が抑制される遺伝子についてさらに詳細に検討した。 これらの他に、TGF-βスーパーファミリーの細胞内シグナル伝達に関与しているsmad遺伝子の発現についても検討した。
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