研究概要 |
本研究では,近年ニーズの高まっている超大断面トンネル支保・覆工の設計規範の確立を目的とし,NATM工法で用いられる吹き付けコンクリートの支保構造の力学的モデルを用いた考察,士被りおよびトンネル断面形状をパラメータとした模型実験によるトンネル覆工に作用する曲げモーメントおよび土圧の検討,3次元降下床実験によるトンネル交差部の力学的挙動の把握を実施している.近年,都市部では用地確保の制約条件および環境への配慮等の観点から,大規模(大断面)トンネル,大深度トンネルおよび長大トンネルの建設が増加している.特に,道路トンネルでは,交通量の増大・渋滞の緩和といった観点から3車線以上に対応できる大断面トンネルが設計・施工されはじめてきている.このよなトンネルでは,経済性を考慮して掘削土量の減少をはかるために偏平な.断面形状で設計が行われる.また,トンネルの長大化・大断面化にともない,分岐トンネル・換気トンネルの設計・施工が要求される.これらの問題に対し,重力場および遠心力場における降下床実験を実施し,大断面トンネル,偏平トンネルおよびトンネル交差部に発生する土圧の分布,地表面変位,トンネル形状模型に作用するモーメントおよび軸力を計測し,考察を実施した.また,剛棒ばねモデルを用いて,実験と同様の解析を行い,支保・覆工構造の安定性の評価を行い,最終的には実際のトンネル構造物への適用を目指す.
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