研究概要 |
1.セルラーオートマタ(CA)による都市域拡大予測シミュレーションシステムの開発:(1)Batty&Xieモデルを発展改良した独自の市街地拡大変化予測モデルを構築し,これを東三河地域へ適用して過去およそ100年間の市街地拡大変化シミュレートし,キャリブレーションでは,形態評価指標としてクラマーのコンティンジェンシー係数,ユールの連関係数,フラクタル理論の半径次元を用い,推定結果と観測結果の比較を行い,歴史的な市街地形成過程をほぼ再現できることを示した.(2)また市街地分布パターンに影響を与えるパラメータの感度分析を行い,将来の市街地拡大変化を予測する際の有効なパラメータであることを確認した.(3)さらに開発したモデルの汎用性をみるため韓国木浦市へも適用し,ほぼ妥当な再現性を得た.以上,CAを用いたボトムアップ的手法による都市形態シミュレーションモデルの有効性と可能性を示した.現在はスリランカ・コロンボ都市圏へ適用して,開発シナリオに基づく将来の市街地拡大変化シミュレーションシステムへ展開している. 2.GISによる環境関連情報データベースと現況把握システムの途上国への適用:(1)PC上で稼動する地理情報システムソフトウェアArcView3.1を用いて,スリランカ・コロンボ都市圏を対象に環境情報データベースを構築,都市環境の現況把握が定量的,空間的に可能なシステムを開発した.(2)さらにすでに研究成果として公表した環境管理支援エキスパートシステムとArcViewを統合させ,環境管理のための環境ゾーニングマップ案の作成ができ,他の空間計画への環境管理ガイドラインやゾーニング指定の根拠等をユーザに提示可能なシステムを開発した.最終年度は現システムに上記CAモデルを組み込み,様々な都市開発シナリオに対する市街地拡大予測と環境影響の相互関係の把握が可能な計画支援システムへ発展させる.
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