研究概要 |
これまでのポリフェノール化合物の分布に関する研究は,主に陸上食物ならびにその加工品について行われ,水中に生息する海藻に関する報告はほとんど見当たらない。そこで食品由来のポリフェノール化合物の健康に対する効果を明らかにするため,研究例の少ない海藻などの水産植物における分布ならびに含量を測定した。食用ならびに非食用海藻(緑藻、褐藻、紅藻)からカテキンならびにその他のフラボノイド類を有機溶媒による抽出を行い、分布を調べた。この分析にはダイオードアレイ検出器を付属した高速液体クロマトグラフィーを用いて行い、それぞれの保持時間と吸収スぺクトルから化合物の種類を同定し、含量を求めた。これにより,海仁は野菜、果実などと全く異なるフラボノイド組成を持つことが明らかとなった。 メタノール抽出によりポリフェノール粗抽出液を調製し、これを銅触媒によって酸化促進させた脂質エマルジョンに添加して、過酸化脂質を測定した。ポリフェソール粗抽出液により過酸化脂質の上昇が抑制され,抗酸化性を確認することができた。同時に溶液中に残存するポリフェノール化合物の成分変化を高速液体クロマトグラフィーで定量し,その残存率を求めた。同様の実験で,茶では特異的に減少したフラボノイド成分が海藻では減少せず、茶ポリフェノールと異なる抗酸化性が存在することが認められました。
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