研究課題/領域番号 |
14405017
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研究機関 | 岡崎国立共同研究機構 |
研究代表者 |
塚谷 裕一 岡崎国立共同研究機構, 統合バイオサイエンスセンター, 助教授 (90260512)
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研究分担者 |
永益 英敏 京都大学, 総合博物館, 助教授 (90218024)
今市 涼子 日本女子大学, 理学部, 教授 (60112752)
岡田 博 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 教授 (40089892)
池田 博 岡山理科大学, 総合情報学部, 講師 (30299177)
荒木 崇 京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (00273433)
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キーワード | 日華植物区系要素 / アジア / 島嶼環境 / 適応進化 / 分子系統 / 植物地理 |
研究概要 |
本年度はフィールド調査として国内は広島県厳島、宮城県金華山、鹿児島県屋久島、愛知県鳳来寺山、三重県御在所岳、愛媛県鹿島周辺を選び、それぞれ矮小化現象を中心に現地調査を行なった。また京都大学および東京大学標本庫を中心に、ハーバリウム調査も行ない、国内での他産地での標本との比較検討も行なった。その結果、島喚域で知られてきた矮小化現象の一部は、島嶼環境よりはむしろ、鹿食害や地理的クラインの影響が大きいことが示唆された。採集された植物は、それぞれの研究室で栽培下におき、形質の安定性を確認中である。オオバコなど一部の植物に関しては、世代を重ねての形質の安定性の確認がとれた。また屋久島から報告されていた矮小変種ヒメツルアリドオシに関しては、変種とみなすほどの遺伝的分化をとげていないこと、形態的にも日本各地でのサイズ変異の中に含まれることから、品種とみなすべきであることが判明した。一部成果は、すでに論文にまとめ、投稿中である。 また海外調査地としては、調査許可の得られたインドネシア・ジャワ島で調査を行ない、熱帯高山帯における日華植物区系要素の分布、形質について調査、また系統学的に中国、日本、ネパール等、起源地域に近い近縁種との相違について分子系統学的解析に着手した。
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