研究課題/領域番号 |
15402007
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
重田 眞義 京都大学, 大学院・アジア・アフリカ地域研究研究科, 助教授 (80215962)
|
研究分担者 |
伊谷 樹一 京都大学, 大学院・アジア・アフリカ地域研究研究科, 助教授 (20232382)
太田 至 京都大学, 大学院・アジア・アフリカ地域研究研究科, 助教授 (60191938)
|
キーワード | エチオピア / エンセーテ / 生業システム / 持続性 / 在来知識 / 民族植物学 / 農業生態学 / ジェンダー |
研究概要 |
平成15年度は、エンセーテ生業システム(ELS)における環境負荷要素に関する定量的基礎資料の収集をおこなった。 平成15年10月よりエンセーテ生業システム(ELS)の活動に関して、エチオピア西南部の2地域を選定し、そのうち南オモ地域の農家においてエンセーテ畑への労働投入量、外部資材投入量、時間配分、粗収量、収穫物のエネルギー量、分配、販売・加工・消費量などあらかじめ選定した基本調査項目についての資料収集を開始した。また、基本的な植生の記載をおこなうとともに経年の変化を記録する調査区を設置し、観作地の土壌を採取して基本的な肥沃度等の分析をおこなうための圃場を確保した。これらの基本的調査は現地研究協力者の参加を得て今後も継続していく予定である。 また、予備的にではあるが、南部州の一部におけるエンセーテ野生種の分布と栽培の現況を確認した。同時にELSの地理的範囲を確定するための広域調査をおこなった。重田は、現金経済市場にむけてエンセーテでんぶんの生産をおこなっている地域の域内外への販売と流通の経路消費形態について調査した。太田は、ELS内に飼養される家畜に関連した在来技術、民族知識の継承に関して比較民族動物学の視点から予備的調査をおこない、資料を収集した。伊谷は、南オモ地域においてELSの管理に必要な農法・技術を記載して比較するための指針作りをおこない、同時に、エンセーテ畑に実験区を設けて、温湿度、光水分条件、同化率などの農生態学的変数を把握するための準備をおこなった。荒木は、ELSの維持に関連して、開墾、伐採、火入れ、休閑、植林、農地の分割など環境保全に関連した農民の行動についてジェンダー集団や社会階層に留意しながら意志決定と行動選択の事例を収集する予定であったが、国際協力機構の派遣と重なったため平成16年度におこなうこととして、代表者の重田が予備的資料の収集をおこなうにとどめた。
|