イオン液体を利用する電気化学発光セルは、高効率かつ省エネ・低コストを実現する新しい光源として期待されているデバイスである。本研究では、電気化学発光セルの発光原理や劣化の原因を解明するため、走査透過X線顕微鏡を用いて発光中のセル中のイオンの動きを可視化した。その結果、駆動電流は確かにイオンの動きを誘起するが、これまで考えられていた自己組織PN接合という単純なメカニズムとは異なる負イオンの挙動であることを発見した。また、劣化したLECではセル内のイオン液体と発光ポリマーの分布が不均一になり、相分離していることを明らかにした。
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