研究課題
トキソプラズマ原虫は、マラリア原虫と同じアピコンプレクサ門に属する原虫で、微細構造の類似性は極めて高い。マラリア原虫が脊椎動物体内では、肝臓細胞と赤血球に寄生増殖するのに対し、トキソプラズマ原虫は、マクロファージ系の細胞内で増殖し、神経系細胞にも感染する。そして、先天性感染時には、重篤な奇形を来す。我々は、これまでに熱帯熱マラリア原虫(Plasmodium falciparum)、ネズミマラリア原虫(P.yoelii)、トキソプラズマ原虫(Toxoplasma gondii RH株)について、オリゴキャップ法により全長cDNAライブラリを作成し、その解析を進めてきた。今年度は、昨年度作製したトキソプラズマ原虫(Toxoplasma gondii RH株)全長cDNA約1万クローンから、1300クローンを選び、全長シークエンスを行った。この結果得られたシークエンスを、公開された、RH株とME49株のゲノムシークエンス上にマップし、エキソンーイントロン構造を確定すると共に、発現遺伝子の転写開始点のマップを精密化し、Full-malaria (http://fullmal.ims.u-tokyo.ac.jp)上にて公開した。同時に、多数のESTについてもゲノム上の位置を決定し表示した。その結果、トキソプラズマ原虫では、マラリア原虫に比べイントロンの数が多く、細かいスプライシングが起きていること、alternative splicingが多数見られることを確認した。
すべて 2005
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