資料収集:ウズベキスタン国立中央文書館で、トルキスタン総督府、シルダリア州庁、臨時政府トルキスタン委員会、N.P.オストロウモフの各フォンドから、本研究課題の遂行に必要な史料を収集した。ウズベキスタン国立ナヴァーイー図書館でも、ロシア帝政期の稀覯本を閲覧・複写した。また日本の書店を通して、ロシア革命・内戦期に中央ユーラシアで発行された新聞のマイクロフィルムを購入した。これらにより、中央ユーラシア知識人の活動の背景・前提をなしていたロシア帝国の政策(特に民族政策、宗教政策、軍事政策)と、ロシア革命・内戦期の民族運動とソヴェト政権や白軍諸政権との関係について、多くの情報と知見が得られた。さらに、バシコルトスタンの研究者(I.ガブドラフィコフ氏)から、現在のヴォルガ・ウラル地域における知識人の状況について情報を得た。 共同研究:海外共同研究者(アメリカのA.ハーリド氏、カザフスタンのM.コイゲルディエフ氏ら)と連絡を取り合い、平成17年7月に予定されている国際シンポジウムの準備を進めた。 成果発表:本研究の中間的な成果の一端を、2004年10月にインディアナ大学で開催された中央ユーラシア学会年次大会で発表した。同大会への参加は、本研究に関連する国際的な研究動向についての知識をさらに深めるうえでも有益であった。また、本研究で得られた知見は、『中央ユーラシアを知る事典』(平凡社、近刊)の多くの項目にも反映されている。
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