研究課題/領域番号 |
18K07622
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
岩野 弘幸 北海道大学, 大学病院, 助教 (50622354)
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研究分担者 |
横田 卓 北海道大学, 大学病院, 特任講師 (90374321)
納谷 昌直 北海道大学, 大学病院, 講師 (20455637)
安斉 俊久 北海道大学, 医学研究院, 教授 (60232089)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 心不全 / 運動負荷 |
研究実績の概要 |
左室駆出率の保たれた慢性心不全患者(HFpEF)で呼気ガス分析を用いた心肺運動負荷試験と運動負荷心エコー検査を行い、今回新規購入した非侵襲的心拍出量モニターであるエスクロンミニRを用いて運動負荷心エコー検査時に心拍出量の計測を行った。その結果、過去に左室駆出率の低下した心不全(HFrEF)症例で認められていたのと同様に、運動耐容能の指標である最大酸素摂取量と、カラーMモード像から推定した運動時の拡張早期左室内圧較差(IVPD)との間には比較的強い正相関が認められ、さらに運動によるIVPDの変化量が運動時の心拍出量を規定することが認められた。これらの結果は、運動時の左室サクションはHFrEFと同様にHFpEFにおいても、運動時の心拍出量増大を介して運動耐容能と関連することを示唆するものと考えられた。このIVPDの低下には、左室長軸方向の機能を反映する収縮期僧帽弁輪運動速度や拡張早期僧帽弁輪運動速度の低下が関与していた。このことからは、これまでに報告されているHFpEFにおける左室の内斜走筋障害が左室長軸方向の壁伸縮を障害して左室サクションの減弱を来しているものと想定された。 さらに、左室心筋線維化とサクションとの関連についての検討のため、心臓MRIと心筋線維化バイオマーカーも併せた検討を開始し、現在までにHFpEF症例5例と対照2例を登録した。対象症例は安定したHFpEF症例としており、入院患者よりも外来通院中患者が中心となっている。今後、目標である各30例の登録を行い、検討を進めていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
外来症例の心臓MRI実施に向けた謝金の調整に時間を費やしたが、令和元年12月に研究実施に関する院内倫理委員会の承認を得ることができ、令和2年2月より症例登録を開始した。
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今後の研究の推進方策 |
安定したHFpEF症例数の確保が課題であり、外来通院中の症例とともに、他施設の症例にも登録を依頼し、効率よく研究参加を推し進めていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究参加者への謝金による支出が予定よりも下回ったため次年度使用額が生じ、次年度に目標症例数を登録することで適切に使用する予定である。
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