本研究では、大腸がんの肝転移に関わる肝臓間質細胞由来因子を同定し、同因子を標的とした大腸がん肝転移の新規治療の可能性について検討した。①大腸がんの肝転移を促進する因子として、線溶系の制御因子であるプラスミノーゲン活性化制御因子-1(PAI-1)を同定した。②マウス大腸がん肝転移モデルにおいて、PAI-1阻害剤の投与は大腸がんの肝転移を有意に抑制した。③大腸がん肝転移モデルにおいて、PAI-1ノックアウトマウスは野生型に比べて、大腸がんの肝転移を有意に抑制した。 以上より、新規肝臓間質細胞由来因子PAI-1は大腸がんの肝転移を促進し、PAI-1の阻害が大腸がん肝転移の抑制につながる可能性がある。
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