研究分担者 |
上岡 英史 芝浦工業大学, 工学部・通信工学科, 准教授 (90311175)
田中 良明 早稲田大学, 国際情報通信研究科, 教授 (30133086)
福田 晃 九州大学, システム情報科学研究院, 教授 (80165282)
奥田 隆史 愛知県立大学, 情報科学部, 教授 (20204125)
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研究概要 |
アドホックネットワークサービス環境形成技術に関して,以下の四つの観点から研究を進めた. 1. アドホックネットワークの課金管理 アドホックネットワークでは,いかに中継者を確保するかが鍵となる.そこで,中継者に謝金を支払う方法がある.中継者になってくれるかどうかはいろいろな要素で決まるが,本年度はセキュリティ意識の面をアンケート調査により明らかにした.また,中継謝金に基づくルーチング方法を提案した. 2. セキュリティ管理 ユーザデータのプライバシーを保護する観点から、データの種類に基づいて外部からアクセス可能な範囲を制御する方式と匿名化手法を組み合わせた新しい「プライバシー制御方式」を考案した.また、モバイルアドホックネットワークにおける代替経路構築数を増やすためのアルゴリズムを提案し,通信断に対する頑健性を検討した.特に,既存のマルチパスルーティングプロトコルであるMRAODVに対して,新規参加ノードや離脱ノードの再参加を考慮したことによって,経路存続時間が延びることを明らかにした. 3. アプリケーション構築技術 アドホックネットワーク上でのアプリケーション構築を支援するために,本年度は効率的なコンテンツ配信技術に着目し,その要素技術を研究開発した.特に,ノードの測位技術と,分散ネットワーク環境下でのノード間の協調フレームワークを提案し,効率的かつ高度なコンテンツ配信技術への応用を検討した. 4. ネットワークモデリングと性能評価 アドホックネットワーク環境の動的変化や端末の多様化により,通信トラヒックの集中や変化が非常に大きくなり,ネットワークへの入力トラヒックも大変複雑になる.そこで,今年度は個々のユーザを,前回までの行動とその効果を学習に基づいて行動するインテリジェントなエージェントとみなすマルチエージェントモデルを構築し,エージェントの相互作用がネットワーク全体に与える影響を評価する手法を提案した.さらに,目的とするQoSを維持することができる,模範的なユーザ行動ルールを検討した.
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