研究概要 |
本研究の目的は、特異点のデフォーメーションと代数的局所コホモロジーとの関係の解明である。quasi-homogeneous singularitiesに関して、Milnor algebraの単項基底に注目したデフォーメーションを行った場合の代数的局所コホモロジーの変化の解析を行った。 ・原点に特異点を持つ関数(多項式)に対して、Milnor algebraの単項基底をパラメーター付きで加えることにより、特異点がデフォーメーションされ、原点における特異性は低くなり、原点とは別の場所に特異性が少しずつ移っていく。原点に注目した場合の特異点のMilnor algebraの双対空間の生成元となる代数的局所コホモロジー類のデフォーメーションによる変化を解析した。 ・特異点のデフォーメーションをフォリエーションの立場から捉えるために必要であるため、アルゼンチンで行われた研究会"Algebraic Geometry, D-modules and Foliations"に参加し、情報収集を行った。また、研究会の会場であるブエノスアイレス大学の教授であり、孤立特異点における双対性の専門家であるA. ディッケンシユタイン教授を訪問し、デフォーメーションと留数の関係について議論を交わした。 ・特異点に関する研究結果報告のためロシア(モスクワ独立大学)で行われた日露共同シンポジウム「複素代数多様体上の幾何学と解析学」に参加した。 これらの研究結果について、論文を執筆中である。
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