本研究では、カタユウレイボヤ胚の生殖質様領域postplasm に蓄積する母性RNA 遺伝子Ci-PEM(Ci-pem-1)とCi-TDRD7(Ci-pem-11)の翻訳産物がそれぞれ生殖細胞分化において重要な役割を持つ事を明らかにした。Ci-PEM は卵割期のpostplasmと生殖割球の核に局在し、生殖系列割球における体細胞分化関連遺伝子群の転写抑制に必要であった。一方Ci-TDRD7は多細胞動物に保存された生殖細胞マーカーVasaのホモログであるCiVHと複合体を形成し、原腸胚期以降始原生殖細胞の核辺縁において生殖顆粒様のCiVH 顆粒を形成する為に必要であることが分かった。
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