研究実績の概要 |
①M1ポリユビキチン鎖を特異的に捕獲する新規プローブの作製: M1鎖を特異的に認識するヒトNEMO遺伝子のUBANドメインを直列に4つ、柔軟性の高いポリグリシンのリンカーで連結した。大腸菌を利用してこのプローブタンパク質を作製することができたため、各鎖との結合特異性をテトラユビキチン鎖(M1, K6, K11, K29, K33, K48, K63鎖)を用いたプルダウン法によって検証を行ったところ、M1鎖特異的な結合を認めた。 ②K29/K33ポリユビキチン鎖を特異的に捕獲する新規プローブの作製: K29/K33鎖を特異的に認識するヒトTRABID遺伝子のNZF1ドメインを直列に4つ、柔軟性の高いポリグリシンのリンカーで連結した。大腸菌を利用してこのプローブタンパク質を作製することができたため、各鎖との結合特異性をテトラユビキチン鎖(M1, K6, K11, K29, K33, K48, K63鎖)を用いたプルダウン法によって検証を行った。しかし、このプローブは強力なポリユビキチン鎖結合活性は持っていたものの、鎖特異性が消失してしまうという結果となった。 ③K11ポリユビキチン鎖を特異的に捕獲する新規プローブの作製: K11鎖を特異的に認識するヒトOTUD7遺伝子のOTUドメインを直列に4つ、柔軟性の高いポリグリシンのリンカーで連結した。大腸菌を利用してこのプローブタンパク質の作製を試みたものの、大腸菌内における発現が微量であったため、バキュロウイルス・昆虫細胞(Sf-9)系を利用してこのプローブタンパク質を作製した。今後、各鎖との結合特異性をテトラユビキチン鎖(M1, K6, K11, K29, K33, K48, K63鎖)を用いたプルダウン法によって検証を行う予定である。
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