研究課題
Toll-like receptor(TLR)シグナルは複雑な機構により調節され、感染に対し適正な自然免疫応答が誘導される。本年、この調節機構に関し、1)シグナル伝達分子であるIRAKファミリー分子の機能、2)オートファジーとTLRシグナルのクロストーク、3)TLRシグナルにより誘導され免疫応答を調節する新規分子の機能、に関し解析を行った。1)IRAK(IL-1R-associated kinase)はTLRシグナル伝達に重要なキナーゼである。我々はIRAK-2欠損マウスを作製し、IRAK-1欠損マウスと対比することによりIRAK-1とIRAK-2が異なるキネティクスで活性化しサイトカイン産生を制御することを明らかにした。2)オートファジーは細胞内蛋白質分解の機構の一つであるが細菌排除など自然免疫応答にも関わることが知られる。我々はオートファジーに関与するAtg16L欠損マウスを作製し、この分子がオートファジーに必須であること、また、オートファジーがTLR刺激に対するInflammasome活性化を抑制していることを明らかにした。3)TLR誘導遺伝子の一部は更に自然免疫応答調節に関わることが知られている。我々はこのTLR誘導性新規分子を同定し、遺伝子欠損マウスを作製することによりこの分子が自己免疫疾患抑制に重要であることを明らかにした。この分子は、RNase活性を持ち、サイトカイン遺伝子のmRNAを不安定化させることにより炎症をコントロールすることが明らかとなった。
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